カテゴリー「おすすめ本【な行】」の記事

2008.04.22

『子供たちの探偵簿 1 朝の巻』 仁木悦子

小学校高学年の少年少女を主人公にした、ミステリ。

子供なりに考え、懸命に事件を解決しようと頑張ります。
殺人事件を扱っていながら、暗くなりすぎず、読後感のよい短編集です。

主人公はみんな、兄弟げんかもするし、いたずら心もある、普通の小学生です。
特別な推理能力を与えられているわけではなく、ただ自分の見たことをよく考え、真実へとたどり着きます。

友達をかばったり、好きな娘のために一生懸命になったり、母親の濡れ衣を晴らそうとしたり。
そんな可愛らしい、健気さも持っています。

子供たちは、どこぞの名探偵のように、全てを自分の力で解決は出来る訳ではありません。
犯人に裏をかかれ、窮地に陥ってしまいます。
一体どうなってしまうのか、とハラハラさせながら、最後は痛快に締めくくってくれます。

携帯電話やゲーム機などはなく、子供たちは空き地で野球をしているような時代です。
時代背景には古臭さが否めませんが、ミステリとしての面白さは損なっていません。

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2008.04.18

『西の魔女が死んだ』 梨木香歩

タイトルから、勝手に翻訳ファンタジーだと思っていましたが、日本の作家さんでした。

西の魔女とは、主人公まいの、おばあちゃんのこと。
不思議な力を持つ「魔女」になるためには、心身を鍛える「修行」が必要だといいます。
まいはおばあちゃんの元で、「魔女修行」に励むのでした。

まいは両親から離れ、祖母の住む田舎へとやってきます。
喘息の治療も兼ねていますが、一番の理由は、中学校の登校拒否でした。

人間関係で傷ついたまいは、「魔女修行」を通じて、さまざまなことを学び、心を鍛えていくのです。
「魔女」というキーワードがあるものの、ファンタジーというよりは、まいの成長物語に感じました。

それは、もう一つのキーワード「死」にも色濃く出ています。
「死」とは何なのか。
そして死んだ後は、どうなってしまうのか。
まいは「魔女修行」の中で、模索していくのです。

力強く、常に自信に満ち、世界を明るく見せてくれる、おばあちゃん。
挿絵はありませんが、銀髪で、柔らかな笑顔のおばあちゃんが、思い浮かびます。

おばあちゃんと過ごす時間は、どれもきらきら、活き活きとしています。
自分とは程遠い、素敵なスローライフでした。

最後までよく分からなかったのが、隣のゲンジさん。
いい人なのか悪い人なのか、なぜ態度を改めたのかなど、一貫性に欠けました。

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2008.04.02

『玩具草子』 長野まゆみ

古めかしい玩具の想い出話に、昔懐かしい古裂の写真を添えた、エッセイ。

愛くるしい動物あり。
ちょっと笑ってしまうような、奇抜なデザインあり。

大正や昭和の匂いを感じる、モダンでハイカラな図案ばかり。
図案だけを見ているのも楽しいです。

金魚玉は、今でも子供の浴衣に使えそう。
巻末にまとめられているcaptionは、図案に添えてあるとなお良し。

黒曜石に、光がちりばめられた、美しい地図とか。
子供の頃から、かわらで化石を探して集めていたこととか。

短いものの、長野まゆみの感性を育てた、幼少時代のことが分かる、一冊です。

玻璃紙(セロファン)と書くだけで、子供っぽい素材が、途端にお洒落に感じられます。
私が好きな、長野まゆみの言葉の魔力も味わうことができました。

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2008.03.24

『きもの文様図鑑-明治・大正・昭和に見る』 長崎巌 監修/弓岡勝美 編

着物の文様を、テーマ別にまとめた図鑑。

繻子地に刺繍された、花束。
手描き友禅の、水連。
薄、萩、桔梗、女郎花をまとめた、秋草。
塩瀬地の、雅な、御所車。
紋綸子地の、結文。
梅、菊、蘭、竹を散らした、四君子。

全頁フルカラーの写真が美しく、眺めて堪能していました。

文様の成り立ちや、良く使われる季節などの解説が添えられており、勉強になります。
解説に登場する言葉は、古きよき日本語。

今回は初めてなので、冒頭から読んでいきましたが、そういう読み方でなくてもいい本だと思います。

家に置いておいて、手にするたびに見方を変え。

文様の写真だけを眺めたり。
図案の妙を堪能したり。
気になったページは、解説も読み込んでいったり。

そんな自由な読み方がふさわしい、図鑑でした。

今夜、地球の裏側でさまのレビューでも、

眺めているだけでも楽しくて、手元に置いておきたい一冊。

と、褒められていました。

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2007.11.12

『歴史をさわがせた女たち 日本篇』 永井路子

『日本スーパーレディー物語』を、加筆・改稿したもの。

今回は、「日本篇」と幅の広いテーマです。
取り上げられている女性も、33人と多めです。

今回もきちんと、通説を疑ったり、考え直したりする考察が、きちんとされています。

悪女でも、美談のヒロインでも、なぜそのようなイメージが形作られたのか。
本人が生きた時代と、評価した後世の時代の違いを、鑑みたり。

面白い解釈がいっぱいで、従来の歴史の勉強とは、一味違った女性像が、浮かび上がってきます。

ただ、その根拠をじっくり解説するには、ページ数が足りなかったという感じです。
10人程度に的を絞った、『戦国おんな絵巻』のように、根拠となる出典を詳らかにしながらの、深い考察という域には達していませんでした。

一人分のページ数が少ない代わりに、いろんな女性が取り上げられています。
巴・板額のように、全然知らなかった女性が、登場していたり。

広く、いろんな女性に対して、永井路子の解釈を読めました。

姉妹編の「外国篇」も、ぜひ探してみたいです。

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2007.11.01

『戦国おんな絵巻』 永井路子

『葵を咲かせた女たち』の改題。

華やかで、壮絶な、淀殿。
暗い色調が似合う、お江。

お市に始まり、その娘たちや、江戸時代に現れた女性たちを、絵巻のように取り上げていった作品。
生き生きとした解釈が面白く、一気に読んでしまいました。

日本史というと、男性の系図からなるものがほとんどです。
江戸時代であれば、将軍が幹でしょう。

滅亡した浅井長政は、歴史の上では「敗者」かもしれません。

でも、娘のお江は、二代将軍・秀忠の妻。
孫娘の和子は、後水尾天皇の皇后。
さらに和子の娘・興子内親王は、明正天皇となっています。

そこにはただの「敗者」で片付けられない、つながりが存在します。

女性、という観点から見直していくのが、新鮮でした。

お江ほどの立場の女性であれば、乳母を就けて子供を育てるのが、当たり前。
春日局とお江との対立は、考えにくいといいます。

ではなぜ、そのような風説が流れるようになったのか。
そして、春日局が真に対立していた相手。
本当の対立の構図は、いかなるものだったのか。

ひとりひとりの女性について、資料を提示しながら、独自の解釈を語っていきます。

お江が、どちらかというと自己主張の強くない、流される女性として現れたり。
千姫が、能動的には活動しない、消極的な女性として現れたり。

学説として認められているのかは分かりませんが、温かみのある文章から浮かび上がる新しい人物像、新しい解釈は、共感するものばかりでした。

各章で、また巻末の解説で、彼女の著作や、関連する書物の名が上げられています。
どのような解釈が見られるのかと、どれも読んでみたくなりました。

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2007.09.26

『ポルトガル 朝、昼、晩』 ムラマツエリコ/なかがわみどり

「観光する」でもなく、「旅をする」でもなく、「暮らす」。
その土地の住人のように過ごすことをコンセプトとした、暮らしごっこの旅エッセイです。

k.p.m.(金もーけプロジェクト)の一つ。

せかせか観光地を回ることもなくて、疲れたら昼寝。
暮らしだから、日本から持ってきた仕事もする。
ホテルだからキッチンはないけれど、できる範囲で自炊もする。

旅をするとつい、普段はありえないくらい活動的になって、一日中観光してしまいがちです。
やってみたいけれど、なかなかできない、贅沢な過ごし方ですね。

舞台は、ポルトガル。
エストレモスもモンサラーシも、観光客があまり来ないような、田舎町。
すぐに全ての道を制覇してしまえるようで、同じ道を通っていく日々です。

夜の9時半日没という現地では、太陽の位置によって、さまざまな表情を見せてくれるようです。
同じ道でも、朝の風景、夕方の風景、夜の風景と、違った風景を楽しめるのですね。

町並みも、白い壁に、カラフルな窓や扉と、とっても可愛らしいもの。

添えられた写真は素人っぽさがありますが、彼女たちが感動したものは伝わってきます。

上手くいったことばかり書いてあるのではなく、失敗も不満も、みんな一緒に詰め込んでいます。
でもそんな暮らしの中に、素敵な想い出もできて、これがリアルな実情なのだろうなと思いました。

いいことばかり書いてあるわけではないのに、自分も行ってみたくなる魅力がありました。

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2007.07.03

『メルカトル』 長野まゆみ

久々に、長野まゆみらしい心地よい世界を堪能しました。

とある都市での生活を描いているので、幻想さは控えめ。
でも、謎めいた人物や展開が、魅力的でした。

主人公は、ミロナ地図収集館で働く、Lusse Culvert(リュス・カルヴェルト)
生まれてまもなく、運河で拾われ、孤児院で育った彼は、目立つことを避け、分をわきまえた暮らしをするよう、心がけています。

ところがある日、地図を持った謎の女性が現れて、リュスは翻弄され……というお話。

大通りの、麗々しく花崗岩を積み上げた建物。
地図に描かれた、風の薔薇(ロサ・ドス・ヴェントス)
キチネットで作る、ささやかな料理。

そういった描写に、長野まゆみらしさが仄見えました。

世の男性が熱を上げたものの、陰りの見え始めた大女優、エルヴィラ・モンド。
エルヴィラ・モンドと同姓同名でありながら、地味な女性。

ファッション・リーダーとして、若者に人気のモデル、ルゥルゥ。
彫りの深い美しさを、わざと台無しにするような化粧をしている、アルバイトのダナエ。

我が儘で悪戯好きな少年、ミロル。
役人の目を盗んで商売をする、"ショールの貴婦人"。
地図収集館で難題を依頼してくる、<お偉いかた>。
謎めいた手紙を寄越す、メルカトル氏。

リュスの周りには、謎めいた人物が、入れ替わり立ち代り現れます。
なぜ彼らは、リュスに係わってくるのか。
意図が分からないまま、リュスは精一杯彼らに接し、遂に一つの真実を知ることになります。

装丁の美しさも素敵で、満足の一冊でした。

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2007.01.06

『怪盗グリフィン、絶体絶命』 法月倫太郎

ミステリーランドの一冊で、『このミステリーがすごい! 2007年版』国内8位。
二転三転する展開を、楽しく読みました。

物語は、有名な怪盗グリフィンに届いた、一枚の招待状から始まります。

グリフィンの信条は、あるべきもの(ライト・シング)あるべき場所(ライト・プレイス)に。
正当な持ち主の手を離れた品物を救い出し、しかるべき場所に返すためには行動しても、いわれのない盗みはしないのです。

そんなグリフィンが、CIAの極秘オペレーション<フェニックス作戦>に参加することとなります。

任務の内容は、ボコノン共和国のパストラミ将軍が保管している人形を、無傷で奪取すること。
上層部から与えられた指令はごく限られていて、なぜその人形が必要なのか。
どうして無傷でないといけないのか。
敵対勢力の有無も分からず、作戦を立てづらい状態です。

怪しげな人物も周りを徘徊しています。

そんな困難な状況でも、機転を利かせながら、危機を何度も潜り抜けるグリフィン。
騙し騙される巧妙な駆け引きと、プロットの上手さが光っていました。

二転三転しても複雑すぎないので、子供も楽しめるお話ですね。
キャラクターが魅力的だったので、シリーズ化に合うかもと思います。

本秀康の挿絵が、作品の雰囲気に合っていました。

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2006.12.30

『のだめカンタービレ』 二ノ宮知子

ドラマがハマりにハマったので、ついに原作にまで手を出してしまいました。
16巻まで一気読みです。

メインの興味は、ドラマのその後のはずでした。
ところが、1巻からすっと漫画の世界に引き込まれてしまいました。

アクの強い登場人物たちばかりで、しかも誰もが生き生きしています。
物語の展開も常に刺激的で、飽きることがありません。

ドラマを見ていた私としては、のだめと千秋先輩の恋愛が気になるのですが、それだけの話に終わらない魅力がありますね。
クラッシックに馴染みの薄い私でも、彼らの音楽に対する姿勢や解釈が自然と入ってくる。
そして音楽の魅力を改めて感じることができました。

漫画はドラマと違って、本当に音楽を流すことはできません。
それでいて、曲に対する解釈とか、考えとか、千秋先輩が受けた感動とか、そういったものがよく伝わってきます。

やはり原作が素晴らしい。
だからこそできた、あのドラマなのですね。

ドラマの後に見ても、原作を忠実に、よくドラマ化しているなと思います。
配役と、見た目その他の役作りが素晴らしいです。
ドラマのシーンが、上野樹里や玉木宏の声が、何度もよみがえりました。

それでいて、原作にはドラマでは扱われなかったシーンもたくさんあります。
なぜ清良ほどの女性が、コンクール当日に寝違える愚を犯したのかとか。
ヴィエラとシュトレーゼマンの対立の根本原因は何かとか。
ドラマで気になっていた裏事情も描かれていたり。

ドラマが好きだった人こそ、ドラマ化された巻をも読むべきですね。

そしてぜひ、フランス編も同じキャストで見てみたいです。

ドラマも漫画も、どうしても主人公はのだめではなく千秋先輩に見えてしまいました...。

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2005.08.03

『I LOVE YOU』 伊坂幸太郎/石田衣良/市川拓司/中田永一/中村航/本多孝好

伊坂幸太郎目当てだったのですが、どれも素敵なお話ばかり。
恋愛小説で、こんなにもいいなぁと感じられたのは初めてです。
どこかユーモアがあって微笑ましくて、読んでいてハッピーになれる作品ばかりでした。

好きだ嫌いだの恋愛よりも、むしろ誰かしら登場人物の個性が光って感じられました。
だからこそ、恋愛小説を読まない私にしっくりきたのかもしれません。
白を貴重とした装丁も、明るくて爽やかで、作品の雰囲気にぴったりでした。

読み終わって気がつきましたが、全員男性作家なのですね。
それが爽やかさの主因かも?

伊坂幸太郎「透明ポーラーベア」
シロクマを筆頭とした蘊蓄や、ちょっとしたネタが収束する形式はいつも通りで、楽しめました。
恋愛はエッセンスでしかなく、作品の中心はお姉さんなんですよね。
現在にはいないのに、これだけ存在感があって、回りに影響も与える、強烈なお姉さん。
お姉さんと優樹の会話、「壁を見ているホッキョクグマ」から始まるフレーズに、伊坂幸太郎らしい粋さを感じました。

石田衣良「魔法のボタン」
こちらでの個性キャラは、萌枝。
男っぽいようなあっけらかんさと、微笑ましい可愛らしさがありました。
短くて、一気に駆け抜けるようなお話です。

市川拓司「卒業写真」
9年ぶりに偶然会った同級生・渡辺と、クラスにいた"もう一人の渡辺"の話をする。
だんだん明らかになる設定からして魅力的でした。
済ました表情でいながら、内心は動揺している木内のキャラクターも微笑ましかったし、彼女の視点だけでこれだけの状況を描き出す文章力に感嘆しました。
『今、会いにゆきます』にも興味が湧きました。

中田永一「百瀬、こっちを向いて」
こちらの個性キャラは、百瀬。
高校生にして既に確固たる自分を持ち、物怖じせず発言し、周りに振り回されずに突き進める意思もある。
髪も黒のまま、服装も規律違反はなし、アクセサリーすらつけていないのに、彼女は明らかに他の女子高生とは違った輝きを放っています。

中村航「突き抜けろ」
一風変わった木戸に振り回され、影響されつつ、坂本と大野が成長する。
この作品にいたっては、恋愛ではなく青春小説だと思うのですが。
飲んだくれながら木戸と坂本の3人であれこれ語るシーンは、大学時代にあった風景だなとしみじみ感じます。

本多孝好「sidewalk Talk」
離婚を前にした夫婦、と唯一恋愛小説らしい恋愛小説。
それでいてドロドロ重苦しいことはなく、ここまでの流れを途絶えさせることはありませんでした。
回想シーンの描き方が上手いですね。
硝子越しにキラキラ光る太陽の光みたいです。

Amazonのレビューは、こちらから。
Booklogのレビューは、こちらから。

【追記】
中田永一が乙一である、という噂があるということを知りました。

言われてみると、乙一っぽい作風ではあります。
この人のプロフィールだけ曖昧で、具体的な作品名を挙げていないのも妖しいです。
でも乙一とは合致しない部分もありますが。

高校卒業後から雑誌ライターとして活躍。2002年から編集者の薦めで小説を書き始める。03年、某雑誌にSF短編小説を別名義で掲載してデビューを飾る。その後、半年に一本の割合で短編・中編小説を発表。本作は初の恋愛小説となる。現在はライター活動をしながら、アニメ作品の脚本や映画脚本のリライト作業などを行っている。

しかし「乙一」というペンネームで発表して問題のある作品でもなく、別のペンネームにする必然性がどこにあるのか、その理由が思い当たりません。

みすらぼ日記さまによれば、

『I LOVE YOU』という短編集の中田永一は、実は『GOTH』や『ZOO』の作者なんだって。横浜西口の有隣堂のPOPに書いてありました。


とのこと。

確かにそういうPOPがあったとしたならば、有隣堂はどこで情報を得たのか。
またその情報には根拠があるのかも不明です。

噂の真偽が気になるところですね。

【追記】
噂のPOP全文です。

"中田永一氏"はご存じ「GOTH」「ZOO」の著者です(知ってた?)

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2005.04.05

『都づくし旅物語』 長野まゆみ

彼女は近未来やファンタジックな異世界、もしくは近代を舞台にした作品が多いですが、現代日本というのは珍しいのでは。
JR西日本の"三都物語"キャンペーンということで、京都・大阪・神戸を舞台にした短編集です。

「古都遊覧」では、大人の女性の目線です。
彼女たちは我々と同じ"日常"に暮らしているようで、その思考回路や風景の描写には現代らしさが感じられます。
こんな大人の普通の女性が描かれているのは、珍しいですね。

そのくせ旅先では、日常から一歩踏み出したような、異世界との境界を危うげに行き来します。
単純に現代の街を描くのではなく、彼女らしい味付けがされています。

「三都逍遥」は、本来の形式に戻って、少年たちが主人公です。
鉱石名をふんだんに引用した、ジュゥスや果物。
少年たちの服装への、こだわりの感じられる細かい描写。
擬人化される猫や鳥といういつものモチーフも登場し、殆ど現代の街を感じさせません。
長野まゆみお得意の、旧仮名遣いとルビの間を漂う不思議な世界を堪能できます。

土瀝青(アスファルト)氷霙(シャーベット)曹達(ソーダ)水、ステエションビル、エレヴェエタ、ラヂオ。
単純に表記するよりも、ずっと奥深い味わいが出てきますね。

この本に関する詳しい情報は、こちらをご覧ください。

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2004.12.27

『かさねの色目―平安の配彩美』 長崎盛輝

平安文学好きには是非お奨めしたい一冊。

巻頭にある、フルカラーの色票が必見です。
(あわせ)仕立ての衣の、表裏の裂を重ねあわせた色を指す「重色目」。
装束として何枚も重ね着して現れる、衣色の配色を指す「襲色目」。
色目の元となる、古代染・織の色48色が収められています。

その色合いを眺めているだけで、美しさにうっとりです。
小説で読んだ色目を見つけては、「この組み合わせだったんだ」と納得したり。
ココログテンプレート「清流」は、さしずめ「鴨頭草(つきくさ)」といったところでしょうか。
古典作品を読むときには、ぜひ手元においておきたいですね。

梅、梅重、裏梅、紅梅、紅梅匂、(つぼみ)紅梅、雪下紅梅。
桜、樺桜、薄花桜、桜萌黄、薄桜萌黄、葉桜。
黄紅葉、青紅葉、(はじ)紅葉、楓紅葉、初紅葉。
白菊、移菊、莟菊、紅菊、蘇芳菊、残菊、葉菊、九月菊、菊重、花菊。

同じモチーフを扱っていてもさまざまな色目があって、自然や四季のうつろいに敏感だった、平安人の感性が伺えます。

後半には、それぞれの色目について細やかな解説がついています。
トーンや色調で色をチャート化したり、それぞれの色目について触れられている出典をまとめたり、大学の講義に使えそうな学術的解説です。
「楓」の由来が「蛙手」なんて、初めて知りました。

この本に関する詳しい情報は、こちらをご覧ください。

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2004.06.08

『夜のプロキオン』  長野まゆみ

この本は鳩山郁子とのコンビで作られた、天球儀文庫の第2巻です。

主人公となるのは、アビと宵里(しょうり)
二人は冬期休暇を利用して、宵里の伯父の家へ遊びに行くところなのです。

予約した特急列車は午后六時半発。
二人はドーナツショップの前で、軽食を摂りながら待っていました。

出発も近くなった頃、アビはかじったドーナツの中に、あるものが入っているのに気付きます。
それは小さな陶製の人形でした。
これは降誕祭(ノエル)にかぎっての特別企画で、当たると好きな種類のドーナツを半ダース貰えることになっているのです。
喜び勇んでドーナツと引き換えた二人は、予約した列車のプラットフォームへ向かいます。

ところがそこで、思わぬ厄介者が舞い込んできました。
可愛らしい少年が、アビのコートを掴んで離さないのです。
何とか振り切って列車に乗り込もうと目論むのですが、少年は思いのほかしぶとく、無常にも列車の扉は閉じてしまうのでした...。

第1巻が夏の話なのに対し、第2巻は冬の物語です。

一面に降り積もった雪を見ると、思いっきりダイブしたら、ふんわりしていて気持ちいいのではないか、という幻想に囚われます。
現実には、顔面凍傷になるだけなのですが^^;
そんな私の感覚にぴったりなのが、長野まゆみが雪を形容するときに使う「フランネル」という言葉です。
音も意味も、これ以上はないくらいハマっています。

このように、単語一つとっても、感覚と想像力に訴える長野まゆみの文章は、豊かな世界を繰り広げてくれます。

また、季節ごとに服装に合わせたパッケージの煙草に替えるなど、宵里の類まれなこだわりが披露されます。
言葉では説明しづらい、少年たちの暗黙のルールとセンスを、巧みに描きあげています。
独自の論理とセンスを持つ宵里も、少し弱気なアビも、今回出てくる"チビ"の、可愛らしさの中に含まれる生意気さも、魅力的です。

そして欠かせないのが、スイーツです。

今回はシャトン&バロン(仔ねこと風船)製菓会社のドーナツに注目です。
大人気ですぐに売り切れる<スタアクラスタア>。
スヰトピイのかおりがするという、蜂蜜フレエクをまぶした房型のドーナツ...。
読んでいるだけで、こちらまで食べたくなってしまいます。

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2004.05.14

『名探偵が多すぎる』 西村京太郎

舞台は別府行きの定期観光船。
明智小五郎の招きで、錚々たるメンバーが終結しました。

まずはフランスから、パリ司法警察で働いていたメグレ元警部です。
彼は夫人を伴っての乗船です。
卵形の頭を持ち、相変わらずピンと口ひげを張らせた滑稽な姿で登場したのは、エルキュール・ポアロ。
そしてアメリカからやってきたのは、エラリー・クイーンです。

この顔ぶれだけでも豪華ですが、名探偵を揃えたパロディでは終わりません。
相対するは、アルセーヌ・ルパン。
彼から4人への挑戦状が届き、船内は一転、推理合戦の場と変ります。
ルパンの背後には、怪人二十面相の影もちらつき、油断できません。

西村京太郎というと、トラベルミステリーというイメージが強いですが、パロディも絶品です。
軽快な語り口で、状況も人物もすいすい頭に入ってきます。

怪人二十面相こそ、登場シーンの少なさから印象が薄いですが、4人の名探偵とルパンは、その特徴を上手く描写しています。
特にキャラクターの濃い、ポアロ特有のシーンなどは、思わずにやりとしてしまいます。

また、脇を固める吉牟田刑事も、物語を円滑に進める上で欠くべからざる存在です。
まっすぐで警察特有の堅物さがうまく空回りして、ワトソン役をしっかりこなしています。

そして忘れてならないのが、メグレ夫人です。
夫のために編み物をしながら、事件の要所要所を締めてくれます。
その姿はまるでミス・マープル、といったら褒めすぎでしょうか。

豪華な名探偵たちとルパンが、知恵比べを通して友情を暖めあう。
ファンには嬉しいストーリーです。

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2004.05.10

『殺しの双曲線』 西村京太郎

この推理小説のメイントリックは、双生児であることを利用したものです。
なんとも大胆な宣言文から始まるのが、この『殺しの双曲線』です。

「とりあえずいっとけ!?」さまの紹介記事に魅かれて、早速読んでみました。

メインの舞台は、雪深い宮城県のホテル・観雪荘です。
「ホテル開店三周年を機に、無料でご招待します」という葉書に誘われて、東京からやってきた6人のメンバー。
旅費・滞在費共にホテル持ちとあって、半信半疑ながらも皆招待に応じたのです。
ところが、ホテルに着くと、招待客が次々に亡くなってしまいます。
そして、毎回現場に残される、謎のメッセージ...。

一方、東京では別の連続強盗が進行しています。
目撃者の証言から、犯人と思しき双子の兄弟が浮かび上がってきます。
しかし、双子の兄弟はあまりにそっくりな外見なため、どちらが実行犯なのかは特定できないのです。
どちらかが犯人だと分かっていながら、逮捕できないジレンマに、警察はやきもきします

この不思議な事件とホテルの事件が、思わぬところで繋がっていきます。

作中でも登場人物が言及していますが、ホテルの事件は、アガサ・クリスティの『アクロイド殺人事件』ばりに展開していきます。
読者は、当然トリックは別なんだろう、と推測しながら読むわけです。
どんなオリジナルの解決なのか、ワクワクしながら読み進められます。

また、双子の兄弟の強盗事件も、ミステリによくある殺人事件とは異なり、一風変わっています。
用意周到で、一歩も二歩も先を行く犯人たちに対し、警察がどのような手を打つのか、その結末に興味が湧きます。

このように、それぞれ単体でも楽しめる事件なのですが、最後に一つの解決に導かれるのに驚きました。
大胆なトリック宣言に興味を抱いて手にしたのですが、それだけに終わらない面白さがあります。

この本に関する詳しい情報は、こちらをご覧ください。

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2004.04.09

『神のロジック 人間のマジック』 西澤保彦

この作品には、西澤保彦の特徴が、いくつか顕著に現れています。

まずは、独特のネーミングセンスです。難解な漢字と読みで、毎回悩まされる登場人物の名前。今回は英語で話す環境ということで、まだ読みやすいほうですね。それでも、"詩人(ポエト)"、"ちゅうりつ(ニュートラル)"、"けらい(オペイ)"、"妃殿下(ユアハイネス)"と、凝った愛称を使っています。
第2の特徴は、ディスカッション形式で行われる、仮説の構築と破壊です。殺人事件に限らず、日常の謎、ふとした疑問に対し、登場人物が総出で推理していくのです。今回は、<学校(ファシリティ)>の実習(ワークショップ)という形で謎が提示され、推理が行われています。
第3の特徴は、心理描写です。特に自己の内部を深く掘り下げ、欺瞞や偽善を暴きだす描写がよく見受けられます。今回の心理描写は、<学校(ファシリティ)>に巣食う"邪悪なモノ"を描き出すにとどまっていました。私が苦手とする第3の特徴は、今回控えめだったので、とても読みやすかったです。

物語は、Y字型をした<学校(ファシリティ)>で展開されます。世間から隔離され、事実上、施設に軟禁状態のメンバーたち。とはいえ、施設内では自由がきき、安定した生活を送っていました。
そこに"新入生"が登場し、メンバーは"試練"にさらされることになります。

この3つの特徴を上手く使い、作り上げられた世界。伏線もうまく張られた、完成度の高い作品でした。

ただひとつ気になった点を、以下にあげておきます。本書と、同じ"本格ミステリマスターズ"の別の作品に関して、ネタバレがあります。

↓↓↓以下、ネタバレあります↓↓↓
ここからは歌野晶午の『葉桜の季節に君を想うということ』のネタバレを含みます。未読の方は、ご注意ください。

『葉桜の季節に君を想うということ』が2003年3月発売、『神のロジック人間のマジック』が2003年5月発売、と発売は2ヶ月しか違いません。
しかも、同じ"本格ミステリマスターズ"のシリーズとして出版されています。
それなのに、メイントリックが同じというのは、いかがなものでしょうか。

構想に時間がかかるわけですから、どちらかがどちらかを真似した、ということは考えていません。
完全な叙述トリックとして使っている歌野晶午に対し、西澤保彦は心理描写をうまく使った、ホラー風の切り口です。
それぞれがオリジナリティを持ち、面白く読むことができました。

ただ、シリーズとして読み進めた場合、この発売順に疑問を感じます。
作家の担当者は別々でしょうが、"本格ミステリーマスターズ"を統括する担当者がいたはずです。
同じトリックの作品をほぼ連続で出すことに、ためらいを感じなかったのでしょうか。
時期をずらすなどの検討は、できなかったのでしょうか。

↑↑↑ネタバレ、終わり↑↑↑

この本に関する詳しい情報は、こちらをご覧ください。

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2004.02.26

『天体議会』 長野まゆみ

『三日月少年漂流記』にも登場した、銅貨(どうか)と水蓮が主人公になります。
無鉄砲なようで、難題をやってのける能力を持ち、適当に着崩した姿がまた様になるという水蓮。対照的に、自分に自信がもてず、時に心が揺れ動く、繊細な銅貨(どうか)
正反対のようで、妙に馬が合うこの2人は、長野まゆみらしいコンビといえます。

長野まゆみといえば、鉱石や文房具のような小物の描写が魅力の一つです。
この作品でも、存分に描かれています。
緑柱石(ヘリオドール)黄玉(トパーズ)碧瑠璃(へきるり)黄石英(シトリン)碧霄(へきしょう)海柱石(アクアマリン)土耳古石(ターコイズ)淡紅色(ときいろ)錆紫(さびむらさき)氷河碧(アイスブルー)碧水色(アクアグリーン)淡紫色(ヘリオトロオプ)天藍石(てんらんせき)...。
一つ一つが具体的に分からなくても、心の中に美しい色合いが広がって行きます。

今回は、人口の激減に伴い、"母"の在り方が変った都市(シテ)が舞台です。
血のつながりを持たない"家族"。
絡み合った人間関係の中に、大人になる前の、少年(かれら)にしか分からない機微が描かれています。

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2004.02.13

『玲子さんのすてき発見旅』  西村玲子

今回は、どの本をおすすめ本にしようかかなり迷いました。
彼女はとても多作なのです。
主婦として、また母として、いろんな本を出版されています。
テーマは、オシャレやインテリア、編み物、ビーズ、花、旅行など。
ほんとうに幅が広いく、多岐に渡っています。

彼女の本にハマったのは、高校生のころでしょうか。
一人暮らしか結婚をしたら、こんな素敵な暮らしを絶対するんだ!! と心に誓ったものです。
当時の年齢を考えると、マセていたのか、老けていたのか...。

今、現実の生活を見回してみると、実用重視になってしまっているなぁと反省しきりです。
今回久々に彼女の本を読み漁って、オシャレ心がくすぐられ、思わず見た目重視のカーテンを買い揃えてしまいました(^^ゞ

彼女の愛するリバティプリントやアンティークが、必ずしも私の好みと一致しているとはいえません。
それでもなぜか魅かれてしまう、不思議なセンスを彼女は持っています。

彼女のエッセイの魅力は、そのイラストにあります。
写実的(リアル)なわけではないのに、どこか味があって素敵なタッチ。
そして最大の魅力は、その色づかいです。
ささっと色付けしているようで、とても絶妙なバランスになっています。

文庫ではモノクロになっている場合が多いので、ハードカバーなど正規のサイズで読むことをおすすめします。

本書は、旅にまつわるエッセイです。
旅に関する本から始まり、パリ、軽井沢、ニューヨーク、シドニー、イギリスなど、旅行話が中心となっています。
旅先で見つけた素敵なお店やアイテム、道行く人のファッションなど、こちらの旅心をくすぐる話題でいっぱいです。

この本に関する詳しい情報は、こちらをご覧ください。

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2004.02.07

『私が捜した少年』 二階堂黎人

私の名は渋柿。職業は自称探偵で自宅をオフィスにしている。独身で、妻子や兄弟はいない。
顔を洗っていると、ダイニング・ルームの方から女の声がした。彼女とは昔、同じベッドで寝ていたことがあり、未だに馴れ馴れしさが抜けきらない。
彼女の名は渋柿瑠々子。私、信介はその息子で、キンポウゲ幼稚園に通う男の子なのだ!

元アイドルの母と刑事の父を持ち、信介は可愛らしい容姿と一般人には手に入らない捜査情報を得ている。
彼は探偵料として、一日当たり《ビックリマンチョコ》を2個、必要経費として、風船ガム2枚の高い報酬を要求する。
勿論、ハードボイルドの探偵には女が付き物で、最初の依頼人はグッと来るボディを持った女性であった。

ハードボイルド風の紹介にしてみました(笑)
幼稚園児がハードボイルドという、とにかく笑っちゃう設定です。
ハードボイルドの基本通り、信介の一人称で語られるクールで孤独な面と、ほのぼの可愛らしい幼稚園児の面。相反する面の絶妙なバランスで構成されていて、抜きん出た面白さがあります。
普通のハードボイルドに飽きたら、本書をぜひどうぞ。

この本に関する詳しい情報は、こちらをご覧ください。

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2004.01.12

『月の輪船』 長野まゆみ

この本は鳩山郁子とのコンビで作られた、天球儀文庫の第1巻です。

主人公となるのは、アビと宵里(しょうり)
アビは夏期休暇明けのくじ引きで<ハンモック>と呼ばれる席を引き当ててしまいます。
そこはどこよりもうとうとしやすく、また居眠りも見つかりにくいため、授業に集中できないことで有名なのです。
今日の大好きな理科の授業は、鳥たちの航法について。
それでもアビは全く集中できず、筆記帳(ノオト)は白紙のまま終わってしまうのでした。

透かし柱(ピラストル)のある露台(テラス)で食べる、三日月パンと腸詰肉(ソオセエジ)
白い夏麻(リネン)の制服。
校章の月と鳩を縫い取った紺青(プルシアン)(しるし)
アセチレン洋燈(ランプ)の中での野外映画...。

ルビと旧仮名遣いを駆使して描かれる世界は、読む者の想像力を掻きたて、現実から物語の中に引き寄せてくれます。
また、その幻想的な世界は、鳩山郁子の的確なイラストによって具象化されています。
長野まゆみ自身によるイラスト以外で、これ程ぴったり来る挿画はないというくらい、イメージどおりのイラストです。

そして物語には、メインとなる謎が2つあります。
ソォダ水の中へ砂糖を落とし込んだときに発生する、パチパチという音は何に似ているのか。
屋上で一時期見かけた、見知らぬ少年は何者だったのか。
夏の夜風のように、爽やかに終結する物語です。