有名な古典作品ですが、やっと手にしました。
6者6様の推理合戦が、とても楽しかったです。
警察がお手上げのこの事件に、犯罪研究会のメンバーが、非公式な捜査を行うという物語です。
警察や事件関係者から事情を訊き、その場で解決してみせるアームティアディテクティヴとは、一味違っています。
なぜなら犯罪研究会のメンバーは、話を聞くだけでは留まらず、自ら聞き込みをしたり、証拠集めに奔走するからです。
6人のメンバーはばらばらに行動し、一晩につき一人が、自分の推理を発表していきます。
机上の空論、ただ推理遊びのみを楽しんでいるように思える人物もいますが、おおむねが真剣に犯人探しをしています。
おのおのが、それなりの論拠を持って、自説を展開していくので、6パターンの推理を楽しむことができます。
最初は、いきなり名前と職業を羅列されるので、個性が分かりにくかったです。
会合のやり取りを読んでいくうちに、強気な者、自信家な者、控えめな者と、性格がわかってきました。
とはいえ、彼らは何の権限も経験も持たない、調査の素人です。
偽の情報をつかまされたり、証拠の真偽を正しくつかめないこともしばしば。
普通は、探偵役が述べる証拠と証言は絶対であり、それが間違いであることはほとんどありません。
しかし現実の聞き込みとは、そんなに確実なものではないでしょう。
そういう意味では、誤りがあったり、他のメンバーからひっくり返されたりする彼らの調査は、リアルで面白いです。
「限定型と開放型」という表現を用いて、クローズドサークルの話題を取り上げていたり。
推理小説ファンを楽しませてくれるお話でした。
フェアな推理小説としては、最後の最後に、ぽっと出の人物が犯人ということはないだろう、と考えながら読んできました。
そういう意味では上手いラストで、余韻もある結末でした。
ただ、職業や学歴だけを持って、性格を断定する辺りは、論理的でないと感じました。
職業や学歴で、おおむねのグループ化はできるかもしれません。
しかし実際には、個々人によって、そのグループと異なる性格や能力を持つのですから、一人ひとりについて確認する必要があります。
これは作品の描かれた、時代背景によるものなのかもしれません。
この本について詳しく見る。
ブクログでチェック。
最近のコメント