『ツバメ記念日-季節風 春』 重松清
分かれの季節であり、新しい生活の始まりでもある、春。
そんな春を舞台にした、じんわり泣ける、心温まる物語の詰まった短編集。
赤ん坊を抱えての、共働き夫婦。
開発によって消えていく、田舎の交通手段と、都会へ旅立っていく少年たち。
姑の善意と、嫁の葛藤。
そこに描かれる設定は、決して特別なものではありません。
日本のどこかにある、ありふれたエピソードです。
それでもそこに生きる人々は、精一杯、悩んで、考えて、生きている。
ありふれているからこそ、身近で、一緒にじーんときてしまう。
嫌な人かと思っていたら、実は思い違いだったりして、人ってあったかい。
そんな物語ばかりでした。
気づかずに手にしたのですが、副題の通り、春の物語ばかり。
今の季節にぴったりの一冊でした。
ただし「霧を往け」だけが、不満の作品。
ただ主人公が、自分のためだけにつく、自己満足の嘘は、遺族の気持ちを踏みにじるもの。
身勝手な行いで、読んでいて憤りを感じました。
【2009.08.24 追記】
『ぼくたちのミシシッピ・リバー―季節風 夏』読了しました。
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