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2008.11.20

『ガラス張りの誘拐』 歌野晶午

娘の身代金は、現金で1億円!
しかもマスコミに逐一、状況を報道させた中での、身代金受け渡しを要求する犯人。

衆人環視の中、いかに犯人は出没するのか。
そして犯人の意図は、どこにあるのか・・・というお話。

悪くはないんだけれど、ミステリ的には穴が目に付きました。

主人公は、警察官の佐倉。
事件に巻き込まれて、妻を亡くしたため、被害者に上手く事情聴取が出来ない、という悩みを持っています。
事件を細かいところまで思い出させる、事情聴取の辛さを、身を持って知っているからです。

その特異な設定が、あまり活かしきれていないように思います。
聡明な養護教諭・松浦梨花と出会い、心を打ち明ける、きっかけに使われているだけのような気もします。

この問題を掘り下げて、ミステリ的にもいい展開を持たせられれば、もっと深い作品に仕上がったのでは、という気がします。

というのも、合同捜査本部の会話が、コメディタッチであったり、全体として軽い印象があったのです。
「超・本格ミステリー」と銘打っているものの、コメディ路線とどちらにしたいのか、掴みかねるところがありました。

事件の黒幕自体が、簡単に分かったこともあり、ミステリ的に粗が目に付きました。
もっと古い時代の作品ならともかく、1995年刊行ということで、警察がより高度になっている時代の事件としては、穴があると思います。

全くつまらなかったわけではないのですが、謎解きとして詰めが甘いかなと。

↓↓↓以下、ネタバレあります↓↓↓
犯人からの接触と思われる電話なのだから、通話記録は必ず警察がチェックするはず。
それが115からの折り返し電話だとしたら、真っ先に梨花が疑われてしかるべきです。


娘の声も、声紋鑑定くらいするのではないでしょうか。
その辺り、警察の捜査を、都合のいいように省いているように思えました。

↑↑↑ネタバレ、終わり↑↑↑

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コメント

はじめまして。
トラックバックさせていただいたので御挨拶です。
犯人があの人だということは、第二、第三の事件は釈然としないところが残って正解、ということですよね。でも、第一の事件の結末が一番地味だったのが、個人的には残念でした。
でも、第一の事件が最後に来る構成はちょっと斬新でした。

投稿: 山手のドルフィン | 2009.05.16 19:30

【山の手ドルフィンさんへ】
初めまして、こんにちは。

ネタバレにも書いておりますが、
ミステリ的に穴が多く、
満足の出来なかったです。

投稿: KOROPPY | 2009.05.18 10:24

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