『笑酔亭梅寿謎解噺』 田中啓文
少年課にも何度もお世話になっている、不良少年の竜二。
ひょんなことから、落語家の笑酔亭梅寿に、無理やり弟子入りさせられます。
初めは不本意だった竜二も、我慢を知り、落語の魅力にも惹きつけられ・・・とういお話。
黄色い鶏冠頭のまま落語をやる、竜二も変わっていますが、師匠の梅寿も、それを上回る破天荒さです。
悪の竜二も、師匠や、刑事の竹上には頭が上がらず、どつかれる日々。
ハチャメチャな笑いがありつつ、人情もある。
テンポが良く、キャラもよく出来ていて、楽しく読みすすめられます。
足を引っ張ろうとする悪友たちも、放任主義の師匠も、結局は皆いいところがあって。
すごく嫌な人間がいないのも、読んでいて楽しいところです。
「謎解噺」ということで、ミステリ的な要素もあるのですが、そちらは風味付けという感じ。
トリック(解決)自体は、正直つっこみどころがあります。
どちらかというと、竜二の心の成長と、落語の魅力に一つ一つ気づいていく過程を、楽しんでいました。
シリーズになっているようなので、続編も読んで行きたいです。
落語をモチーフにしているので「ちりとてちん」と重なるものも感じながら読みました。
名人なのに、師匠は稽古をしてくれないので、弟子たちが互いに支えあうのも似てますし。
話の面白さとは関係ありませんが、引っかかったことが一つ。
「ちりとてちん」でも同じテーマがありましたが、男を演じる古典落語は、女性には出来かねる、という問題が取り上げられています。
男性が女性を演じて行う笑いは、漫才などでもあること。
落語にも、若い男性から年配の男性まで出てくるわけで、必ずしも演者と等身大とは限りません。
そもそも古典落語に、女性が登場することは、ないのでしょうか。
性別だけで限界を決め付けるのは、どうしても気になるのでした。
【2008.9.10 追記】
『ハナシにならん! 笑酔亭梅寿謎解噺 2』読了しました。
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コメント
いざ、講座に上がると意外と小心者[汗]で・・・
文庫では、第2弾が出ていたので、速攻で続きを読んでしまいましたよ[♪]
新書では3弾まで出ているようですね。
これは、文庫が出るまでお預けだなぁ~^^;
たまに、このような気の張らない話しを読むのもリフレッシュできていいですよね
投稿: 凸 ねこ | 2008.08.29 13:18
【凸ねこさんへ】
こんにちは。
口だけはいろいろ言ってるけど、芯がなくて、
そんな自分に気がついていく・・・という主人公像は、
荻原浩のキャラクターと似ているなと思いました。
なんだかんだで、憎めないキャラクターなんですよね。
>たまに、このような気の張らない話しを読むのもリフレッシュできていいですよね[happy01]
ですねっ。
丁度、重厚な作品よりもライトなモノを、という気分なので、
ぴったりでした。
投稿: KOROPPY | 2008.08.29 14:34