『夜は短し歩けよ乙女』 森見登美彦
評判を聞いていたので、読むのを楽しみにしていた本。
奇怪なスタートにビックリしたものの、気がつけば楽しく読了しました。
潤んで輝く瞳を持つ、「黒髪の乙女」。
一目ぼれした彼女の目に留まるよう、常に周囲をうろつく主人公の「先輩」。
(半ばストーカー!?)
奇妙奇天烈な出来事を通して、二人の運命は、近づいているようで、すれ違っているようで。
路傍の石ころだった「先輩」が、主役の「彼女」に思いを告げることは出来るのだろうか、というお話。
とにかくハチャメチャな展開で、現実にはありえないはず・・・。
けれども、軽妙な会話で紡ぎだされていくと、奇怪な出来事も「ありかな」という気がしてきてしまうから、不思議です。
学園祭の持つ、青春の煌めきと、馬鹿ばかしさ。
そういう、言葉にしにくい空気を、上手くも足せている作品です。
「黒髪の乙女」の思考の可愛らしさ。
そして「先輩」の健気さ。
けなしているようで、実は繋がりあっている人々。
ポップで楽しくって、ハッピーな読後感です。
不可解に思えた出来事も、全てが絡み合っていく、面白さもあります。
表紙も、物語も、そこはかとなくレトロ感が漂っている気がしました。
いくつも出てくる京都の地名も、そのレトロ感にマッチしていて、よき雰囲気をかもし出していました。
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