『シュミじゃないんだ』 三浦しをん
「趣味」などというものではない、「生きる」ことと同義語なのだ!
という、大好きなボーイズラブ漫画について、語ったエッセイ。
「小説ウィングス」の連載に、加筆修正したものです。
『悶絶スパイラル』、『乙女なげやり』、『妄想炸裂』、『桃色トワイライト』、『しをんのしおり』などに比べると、この本のレビューを見かけることは少ない気がします。
テーマが絞られすぎているせいで、とっつきにくいからでしょうか。
実際、説明がなくて、分からない用語もちらほらありました。
しかし、フィールドが限定されていても、妄想の暴走振りは変わらず。
どんなにボーイズラブが好きなのか。
そしてちょっと人と違う部分に萌える、自分へのつっこみ。
妄想だけでなく、そんな巧妙な分析と落とし方が、とても上手く、笑わせてくれるんですよね。
また、話の枕は、他のエッセイと変わらない日常エピソードなので、普通に面白く読めます。
最後の書き下ろし小説(BL)はいただけませんが、エッセイ部分はボーイズラブに興味がなくても楽しめる一冊でした。
また、章終わりにある「KEIKO ATORI'S SilentTheater」が、素敵でした。
この少年の関係性を突き詰めると、ボーイズラブなのでしょうが、そこまで深い描き方はしていません。
仲の良い少年同士で、初期の長野まゆみ作品のような、程よさがありました。
この挿絵が、途中からなくなってしまうのが淋しく、なんだか物足りなく感じます。
それには理由がちゃんとあり、、なんとあとり硅子は、連載中にお亡くなりになってしまったのだとか。
三浦しをんが訃報を知った時の衝撃が、こちらにも伝わってきます。
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