『蒲公英草紙 常野物語』 恩田陸
幼い頃の日記「蒲公英草紙」を元に、峰子が振り返った、幼い日々の想い出話です。
周りを明るく照らす、輝くような、聡子様。
美しい奥様と、清隆様。
そしてなぜか意地悪をしてくる、悪戯者の廣隆様。
別世界と思っていた、槙村家の人々と触れ合いながら、峰子が過ごした思春期とは・・・。
日清戦争後と、時代設定はかなり古いのですが、古臭さはなく、独特の穏やかな空気が流れていきます。
不思議な力を持つという常野一族も、この時代設定だからこそ自然だったのではと思います。
聡子の、峰子の、仄かな恋心。
常野の人々の、不思議な力。
村は平和で、人々は優しくて、幸せに満ちた日々。
穏やかだったものが、堰を切ったように爆発するクライマックスには、涙しました。
ただ最後が、終戦で終わってしまったのは、しっくりきませんでした。
それまでの想い出話と、繋がらない感じです。
『光の帝国』も『エンド・ゲーム』も読んでいないので、今回の常野一族は、あくまで脇役の一人でしかありませんでした。
それが最後になって、急に常野の主題を持ち込んだことに、違和感があったのではないかと思います。
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