『赤朽葉家の伝説』 桜庭一樹
評判を聞いて借りてきたところ、『このミステリーがすごい! 2008年版』国内編第2位との情報が。
最優先で読みました。
ミステリっぽさは薄かったですが、前半の昔語りに、大いなる存在感がありました。
段々の丘の上に建つ、大きなお邸。
旧家、赤朽葉家の歴史をつづった物語です。
愛人あり、無理心中あり。
『華麗なる一族』のような、巨大だけれどどこか退廃した一家族の、歴史を描いています。
その物語自体は力がありますが、これはミステリなんだろうか、と自問自答しながら読んでいました。
祖母・万葉は、未来を"視る"千里眼奥様として、赤朽葉家を守り。
母・毛毬は、レディースの頭から漫画家と、ドラマチックな生涯。
そして現在、平凡な今を生きる、娘の瞳子。
残り少なくなったところで、突如、謎が提示され、やっとミステリらしさが出てきます。
オチそのものは、ものすごい衝撃、というほどではなく、やはり前半の昔語りが、大いなる存在感。
優等生のレールの中で生きる者もいれば、全く外れた生き方をする者もいる。
昭和の時代を匂わせた、さまざまな生き様が、鮮やかです。
力のある物語でした。
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