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2007.11.30

『彩雲国物語 隣の百合は白』 雪乃紗衣

シリーズ番外編の、短編集。
シリアスな最近の作品よりも、コメディの比率が高かった、初期の作品寄りで、笑えます。

例えば「恋愛至難争奪(バトル)!」では、武術試合が行われます。
精鋭羽林軍武官たちの士気を高めるためとはいえ、他の業務をストップさせ、内朝を戦場に大改造する。
後始末にも人手と費用がかかるわけで、国の建て直しをシリアスに考えている最近の路線では、やりにくい話です。

でも、このノリが最初の魅力であったと思うし、たまにはこういう話があってもいいと思います。

特に「地獄の沙汰も君次第」が、面白かったです。

鄭悠舜、紅黎深、黄鳳珠の、伝説の国試の顛末が、とにかく楽しい。
まだ若き三人の個性が、生き生きとぶつかり合っています。
特に鳳珠に、こんな初心で微笑ましい時代があっただなんて。

絳攸こと、コウとの出逢いも明らかになりましたし。
コウが、とてもまっすぐで可愛らしく、微笑ましかったです。
それが行く末、あのような堅物に・・・・・。

百合と黎深の、壮絶口げんかも痛快です。
初期の頃は秀麗が、こういう楽しいやり取りを披露していましたよね。

本編では味わえない楽しさを提供する。
という番外編の役目を十分に果たした1冊だと思います。

黎深は唯我独尊キャラ、というのは設定として分かっていましたが、具体的なイメージはあまり持っていませんでした。
登場シーンも少ないですし、邵可や秀麗に甘く、絳攸に厳しい、変な叔父さん、というくらいしか。

でも、こうやってじっくり語られて、その我が儘さと、国政へのやる気のなさ、邵可第一の生き方がよくよくわかりました。
そして魅力あるキャラクターだなと、初めて思いました。

おまけのショートショート「幸せのカタチ」も、微笑ましかったです。

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