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2007.08.03

『クジラの彼』 有川浩

爽やかで心地よい、恋愛短編集。
ご本人があとがきで「ベタ甘ラブロマ」とおっしゃっている通り、少女マンガに出てきそうな恋愛ばかりです。

実は全編、自衛官にまつわる物語。
現実の自衛官はこんな微笑ましくない、と思いつつも、ついつい読み込んでしまう魅力がありました。
ものすごく甘い世界なのに、くどすぎないバランスがいいんですね。
表紙も爽やかです。

「クジラの彼」は、潜水艦乗りとの遠距離恋愛がテーマ。

クジラ=潜水艦を愛するハルと、聡子。
ただでも海上に出て連絡できる時が短く、しかも不定期な潜水艦なのに、メール下手(?)なハルは、短文しか送ってこない。
聡子は、だんだんと不安になっていく。
二人ともまだ若く、初々しい物語でした。
職種は違うのですが、「海猿」を連想させる設定でした。

「ロールアウト」は、航空自衛隊の次期輸送機の設計をめぐるバトル。
衝突する二人が、やがて…という展開は、ハーレクインロマンスのようでした。
これも「ベタ甘ラブロマ」の典型ですね。

「国防レンアイ」は、女性自衛官=WACの恋愛事情。

「有能な彼女」は、30過ぎた夏木が、年下の彼女との付き合いに悩む物語。
「クジラの彼」にちらりと登場した夏木は、明るいムードメーカーという印象でしたので、最初はギャップがありました。
ハルと聡子のその後が、微笑ましいです。

「脱柵エレジー」は、脱柵=脱走にまつわるどたばた。
実際に脱走したら、洒落にならないくらい怖いんでしょうけれど、物語では温かくまとまっています。

「ファイターパイロットの君」は、『空の君』で登場したカップルの続編とか。
逞しく、でも性格が可愛らしい女性パイロットと、配偶者の物語です。

皆一生懸命で、微笑ましくて、嫌な人間がほとんど登場しなくて。
読後感が心地よく、温かい恋愛物語でした。

この本を読むきっかけとなった、「なほまる日記(離れ)」さまのレビューでも、

「なるほどなー」という笑える設定と展開で、 でも甘~い恋愛モノというアンバランスが独特の読後感です。

と、読後感を褒めていらっしゃいました。

この本について詳しく見る。
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» クジラの彼 [ぼちぼち]
クジラの彼作者: 有川 浩出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2007/02メディア: 単行本 表題作のクジラの彼を含む短編集 *クジラの彼 友人が主催した合コンに出席する事になった聡子。 相手は自衛隊の潜水艦乗り。 ハンサムな彼ができたのは良いけれど、居所不明、連絡を待つばかりの切ない恋が始まった。 忙しい彼を持つと、女性はつらいですよね。 私も長いこと長距離恋愛をしていたので待つ身の辛さは分かります。 ましてや相手の仕事が仕事ですからね。。 連絡も取れないのが辛いです。 しかし、... [続きを読む]

受信: 2007.08.03 22:07

コメント

こんにちは トラバと紹介、ありがとうございました。

自衛隊が舞台なのですが、女性が書くとこんな風なんだなー
と面白く読みました。

余談ですが、うちの近くの本屋さんは「男性作家『あ』」のところに、
有川さんの本が入っていて、「女性なんだけど・・・」
とずーっと思ってました。
店員さんに言えず、ついつい、自分で「女性」のコーナーに変えてしまいました(笑


投稿 なほまる | 2007.08.08 11:45

【なほまるさんへ】
こんにちは。
こちらこそ、楽しい本との出会いをありがとうございました。

>自衛隊が舞台なのですが、女性が書くとこんな風なんだなー
>と面白く読みました。
福井晴敏の世界とは、180度違いますよねw

>店員さんに言えず、ついつい、自分で「女性」のコーナーに変えてしまいました(笑
あははw
名前からして、勘違いしている店員さんがいるんですねぇ。
同じ作家の本が少しはなれて入っていたりすると、
私もついそろえてしまったりしますw

投稿 KOROPPY | 2007.08.08 14:31

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