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2007.04.09

『誘拐ラプソディー』 荻原浩

狂詩曲(ラプソディー)の名に相応しく、どたばた劇が繰り広げられていきます。
展開の面白さと、ユーモア溢れるキャラクターに、最後まで楽しめる充実の一冊。

前科3犯。
せっかく保護監察官から紹介された、職場の社長も殴り、飛び出してきた伊達秀吉。

死を覚悟した秀吉の前に現れたのは、伝助少年。
刑務所でシゲさんが教えてくれた、「完全なる誘拐の法則」にぴったりの、見ず知らずの子供です。

早速、伝助少年を誘拐し、「完全なる誘拐の法則」を実行に移した秀吉ですが……というお話。

死ぬ死ぬと言いながら、いざ手持ちの荷物で、自殺のための準備ができてしまうと、「俺を殺す気か!」と突っ込む秀吉。
その気もなくて、根性もなくて、更生する気もなくて。
まるでダメな秀吉ですが、伝助とかかわっていく内に、変わってゆきます。

伝助は、私立小学校に合格したばかり。
まだ幼く、素直で、スペイン語が得意で、秀吉にコロリと騙されているようで、逆に秀吉を支えたりもして。

この奇妙なコンビのやり取りは、ユーモアが合って楽しいです。

八岐組と、王宗華(ウォンチョンファ)の組織のすったもんだも混ざって、目の離せない展開。

どたばただけでなく、最後には、じーんとする場面も。
何気ない出会いや、さりげない台詞が後々の展開に活きてきて、本当にうまい一冊でした。

この本について詳しく見る。
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