『容疑者Xの献身』 東野圭吾
さすが『このミステリーがすごい! 2006年版』国内編ランキング第1位。
最初から読者を掴んで離さない展開だし、秀逸なミステリでした。
別れた後もつきまとい、金をせびる元夫の富樫。
富樫の魔の手が娘に伸びそうな気配を感じ、靖子は思い余って彼を殺してしまいます。
靖子に思いを寄せていた、隣人の石神が彼女たちの犯行に気付き、その隠ぺい工作を行ってくれるのですが...というお話。
最初の『探偵ガリレオ』は、不可解な現象を科学的に解き明かす、理系トリックの小説でした。
今回の謎解きには理系っぽさはなく、純粋にミステリな作品。
同じシリーズらしさや繋がりはあまりなく、最初にこの作品を読んでも問題なさそうです。
犯人側から犯行が描かれる倒叙形式。
数学科の天才・石神と、物理学科の天才・湯川。
大学時代の友人であり、論理的思考の持ち主同士が、頭脳合戦を繰り広げていきます。
常人とは違った、柔軟な発想と合理性を持つ石神の、警察の一歩上をいく作戦。
この頭脳合戦自体が推理小説として充分面白く、更にそれがミスディレクションに満ちているのだから驚きです。
読み終わって改めてみると、タイトルに深みを感じました。
石神、靖子の描き方がくっきりしていたのに対し、娘の美里の影は薄く、最後の行動も突飛な印象で、唯一残念なところです。
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コメント
こちらも倒叙形式なのですね。
以前読んだ「扉は閉ざされたまま」が面白かったので、
この本への興味度がさらにアップです!!
でも図書館では半年くらい待たされそうだなぁ。
『探偵ガリレオ』の方にも興味ありなので
こちらから読もうかな?
投稿: まゆび | 2006.07.28 18:54
こんにちはーw
これ、読みたかったんですよ☆未読ですっ。
このレビュー読んでしまったので、
ますます「読みたい熱」が上がりそうです(笑)
ああでも先に「天才・龍之介」を読まなくっちゃ。。。。(汗;)
投稿: 柴成 | 2006.07.28 19:58
【まゆびさん】
倒叙で始まり探偵が追うというのは定番ですが、
今回の作品は頭脳合戦が楽しい上に、
プラスアルファがあってとても充実した一冊でした。
>でも図書館では半年くらい待たされそうだなぁ。
今でも予約数多そうですね。
私も7ヶ月くらいかかってます[汗]
『探偵ガリレオ』なら順番待ちはないと思います。
今回の長編とは雰囲気が違いますけど、
あちらはあちらで理系ミステリの面白さがありますよ。
投稿: KOROPPY | 2006.07.28 19:59
【柴成さん】
『このミス』読んでからずっと楽しみにしていましたが、
期待に応える作品でしたよ~[ハート]
>ますます「読みたい熱」が上がりそうです(笑)
ぜひぜひ読んでみて下さいっ( '∇^*)^☆
>ああでも先に「天才・龍之介」を読まなくっちゃ。。。。(汗;)
知らない作品だったので、検索してみました。
柄刀一は未読なのですが、
『御手洗潔対シャーロック・ホームズ』に興味津々です。
投稿: KOROPPY | 2006.07.28 20:10
ととろもこちらを読んだ時、最近の東野作品ではかなり印象がよかった仲間でした。やっぱり最初手に取った時の「?変なタイトル」って印象を読後にはみごとひっくり返してくれた事に乾杯ですよね。
叙述形式の作品ですが、語りが非常にうまく、この設定を納得させるのは難しいんじゃ・・・という部分を補って余りある強力な描写でした。
東野さんには本当にビックリさせられます。
投稿: ととろ | 2006.07.29 03:40
【ととろさん】
>読後にはみごとひっくり返してくれた事に乾杯ですよね。
ほんと、驚かされました。
読み終わってみると、深みのあるタイトルです。
>叙述形式の作品ですが、語りが非常にうまく、この設定を納得させるのは難しいんじゃ・・・という部分を補って余りある強力な描写でした。
論理的に終わらせるであろうから、どうやって落とすのか、
わくわくさせてくれる頭脳戦でしたよね。
しかも更なるプラスアルファまであって、大満足でした[ハート]
投稿: KOROPPY | 2006.07.29 21:22