『ホテルカクタス』 江國香織
「きゅうり」と「数字の2」と「帽子」が主人公のお話です。
...とだけ聞くと、一体どんな話なのか、想像もつかないですよね。
ところが読み始めてみると、彼ら3人が自然に感じられるから不思議です。
几帳面で、神経質なくらい綺麗好きで、生真面目な「数字の2」。
反対に、おおらかで、こまかやかさには少し欠ける「きゅうり」。
そして、他の2人より少しだけ経験が豊かで、読書家で、達観したところのある「帽子」。
「きゅうり」が身も心もまっすぐなので椅子に座れないなど、ふとしたところに「らしさ」が出ていて面白いです。
そんな全く異なる3人ですが、なぜか親友になっていきます。
寓話としてのほのぼのさを湛えつつ、温かなエピソードや切なさを織り交ぜながら、物語は進んでいきます。
そして、佐々木敦子の油絵が素晴らしいです。
華奢で美しいラインを描く、螺旋階段の手摺。
年季の入った壁など、古びた石造りのアパートの質感がよく出ています。
舞台である「ホテルカクタス」の、本物の写真かと見まがうほどにリアルで、自分までもがそこにいるような気がしてきます。
建物の造形がパリっぽいなと思っていたら、やはりパリを拠点に活躍されている方でした。
この本は、しあわせのかけらさまのレビューがきっかけで読みました。
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コメント
トラックバックありがとうございます。
しかもあれがきっかけで読んでいただけたなんて
KOROPPYさんのレビューのほうがわかりやすくて
読みやすいのに… ちょっと恥ずかしいですね。
この本、お話より絵のほうが先にあったようですよ。
やっぱり、って感じですよね。
投稿 みかん | 2004.09.14 12:29
みかんさん、こんにちは。
江國香織は一冊も読んだことなかったので、
みかんさんのレビューがなかったら今後も手を出していたかどうか...。
こちらこそ、素敵な本との出会いをありがとうございました。
>この本、お話より絵のほうが先にあったようですよ。
白と黒の床とか、細かいところまで再現されているな、
と思ったら、絵が先だったんですか。
だからこそ、あんなにリアリティがあったんですね。
納得です!
投稿 KOROPPY | 2004.09.14 16:11