2008.08.16

『流れ行く者』 上橋菜穂子

守り人シリーズの短編集。
幼いバルサとタンダのエピソードに、微笑ましかったり、じーんとさせられたりしました。

「浮き籾」は、バルサとタンだのやりとりが、微笑ましかったです。
よき働き手ではないかもしれないけれど、タンダは幼い頃から優しかったんだなぁ、とほのぼのさせられました。

「ラフラ<賭事師>」では、その道を極めた人間の、深さが光るストーリーでした。
バルサには珍しい、人との交流も暖かかったです。

「流れ行く者」は、表題作になるだけのことがある、一番読み応えのある作品でした。

まだ自分の感情を制御しきれない、若いバルサの血気とか。
戦いたくないのに、倒さなければならない、悲痛さとか。

毎回のことですが、決別、裏切りへの変化など、心の動きの描写が深く、じんときます。

また本編を読みたくなりました。

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2008.08.14

『赤い館の秘密』 A.A.ミルン

『クマのプーさん』の作家ミルンの、唯一の長編推理小説。

事件はシンプルだけれども、魅力的な謎が面白い作品でした。
凄惨な描写もなく、謎解きを楽しむミステリです。

やくざ者の兄が、15年ぶりに現れたかと思うと、死体となって発見されます。
そして館の主マークは、行方不明になってしまうのでした。

たまたま事件にめぐり合わせたギリンガムは、探偵の真似事を始め、友人のベヴリーをワトズン役に任命。
素人二人組みは、事件の真相を見破れるのか、というお話。

赤い館の客人が多いので、最初は戸惑うのですが、事件が起こって、登場人物が整理されていくと、ぐっと読みやすくなります。

撃ったのは、誰だったのか?
マークの行方と、安否は?
事件後、怪しげな行動をとる、管理人ケイリーの真意は?

事件は一つだけでとてもシンプルですが、謎が魅力的で、最後まで上手く引っ張っていってくれます。

天才探偵ホームズだけが物事を理解し、ワトスンと読者は置いてきぼり、ということもありません。
ギリンガムは素人ですし、ワトスン役のベヴリーも、時に冴えた対応を見せます。

ギリンガムとベヴリーの会話が軽妙で、読者も一緒に捜査しているような気持ちにさせる展開が、上手いです。

ベヴリーが語った、些細なエピソードが、自然と伏線となっているのも面白かったです。

ただ、最後の告白の手紙が、ややご都合主義だったかなとも思います。
ギリンガムとベヴリーを警戒し、あれほど何か見抜かれてないか、と気にしていたはずなのに。
Aを見抜かれたら、BとCも見抜かれたと思うのが、自然な流れではないでしょうか。

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2008.08.11

ブログペット背景 神龍編

今回お借りした素材を紹介します。

まずは、オリジナルフレーム。

猫のお凸・素材の蔵出しさまの「BP_スクリーンショット(SS)専用フレーム素材」です。
オリジナルフレーム
スクリーンショットBBS対応の、オリジナルフレーム。
ドラゴンボールのデザインが、冒険心をくすぐりますね。

最後は、背景。

webでお絵かきさまの「BlogPet背景☆bubble編♪」です。
背景
月光に照らされながら、たゆたう泡たち。
不思議な夢を見られそうな、そんな背景です。

☆(。・・。)mew☆*・゜さまの「背景」です。
背景 背景
背景
ひんやりと涼を感じる世界あり。
夏のバカンスの一こまを彩る、波辺あり。
おとぎの国の花火大会のような、楽しげな夜景あり。
さまざまな夏を楽しめる背景がアップされています。

素材をお借りするときは、「BlogPet背景を利用するときのマナー(使用BlogPet背景素材的注意事項)」と、素材屋さんの利用規約を守って下さいね。

IRCの#blogpetにてチャットを実施中です。
BlogPetファンのみなさまのご参加をお待ちしてます。

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2008.08.08

『鏡の向こうに落ちてみよう』 有栖川有栖

有栖川有栖のエッセイ集。

趣旨に賛同できない場合などは、断るにしても、基本的にテーマを問わず、エッセイは引き受けているのだとか。

数多く書いているせいか、本書の中だけでも内容が重複していたり、『正しく時代に遅れるために』で似たような文章を読んだな、と感じたりはしますが、やはり文章は上手いと思います。

塀と溝との間の、狭い隙間を表す言葉は何か、とか。
昔の本についていた、著者検印の紙。
その成り立ちと、作られ方など、作家として、常にアンテナを張っているからゆえのネタも、ためになるし。

本に関する話題も多く、読みたい本をいくつかピックアップすることが出来ました。

また、有栖川事件に関するコメントなど、ちょっと野次馬的な内容も、興味深いですね。
ニュースを見たときに、私も筆者のことを連想した口なので。

凄く面白いとか、ではないんですが、得られる情報のあるエッセイだと思います。

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2008.08.03

『薬屋探偵妖綺談 銀の檻を溶かして』 高里椎奈

第11回メフィスト賞受賞作品。

舞台は、古ぼけた骨董品店のような内装の「深山木薬店」。
看板どおり、薬屋を営んでいるのが、表の顔。

そして裏の顔では、とある暗号を伝えた相手に対し、事件解決の依頼を受け付けるのでした。

しかも店員も、只者ではありません。
種族の違う、妖怪3人組が、人間の姿に化けて応対しているのでした、というお話。

冒頭の設定は悪くない感触だったのですが、読みすすめるにつれ、読み進むのが苦痛になってきました。

というのも、全体に、一人よがりな描写が、目に付くのです。

予測のつかない変人ぶりの中に、一段上から物事を見通せる、凄さを見せたいんだろう、とか。
美形だとかルックスの特徴を活かした、捜査の仕方を楽しませたいんだろう、とか。

やりたいことが見えるものの、それが表現し切れていないから回りに、突っ込みたくなってしまうのでした。

冒頭の、宇宙旅行が当たる推理クイズにも、かなり素人っぽさが溢れていて、嫌な予感はしていたのですが。

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