2013.05.21

『太陽のパスタ、豆のスープ』 宮下奈都

突然の婚約破棄に、落ち込む主人公。
そこに現れた、ロッカが提案したのは、ドリフターズ・リストだった……。

やりたいこと、楽しそうなこと、ほしいものを書きだす「ドリフターズ・リスト」。
それは、書いただけで、実行しただけで、人を劇的に変える魔法ではありません。

けれど自分の内側を見つめることで、確実に、変化をもたらしていく。

最初は、感情のふり幅の大きい主人公が、ゆっくりと前向きになっていく。
読後感が、よかったです。

郁ちゃんのお豆とか、自炊したご飯とか。
「毎日」のお料理が、魅力的でした。

お友だちの郁ちゃんが、かわいらしくて(性格的に)、素敵でした。

京だったり、ロッカだったり、主人公は、お友だちに恵まれていると思います。
(ロッカは身内だけれど)。

「安心して、カトちゃんとか志村とか関係ないから」
「そんな心配してないよ」
「長さんもブーも関係ないから」

のくだりには、ちょっと笑ってしまいました。
真っ先に連想したのが、まさにそのものだったので。

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 【既読の宮下奈都作品】
『大崎梢リクエスト! 本屋さんのアンソロジー』
『Re-born はじまりの一歩』
『コイノカオリ』
『とっさの方言』

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2013.05.20

『童子の輪舞曲 僕僕先生』 仁木英之

『僕僕先生』シリーズ第7弾は、番外編。
「避雨雙六」「雷のお届けもの」「競漕曲」「第狸奴の殖」「鏡の欠片」「福毛」の6編が、収められています。

『Fantasy Seller』で読んではいましたが、「雷のお届けもの」が一番好きです。

ファンタジー色が強く、キャラクターも楽しい。
人間と、人ならぬ存在の、難しい関係性も描いています。

2人の雷神たちの成長が微笑ましく、じーんときました。

「第狸奴の殖」は、第狸奴の意外な生態を知れて、面白かったです。

「福毛」は、ちょっと毛色の変わった作品でした。
番外編ならではのお話では。

キャラクター紹介があったり、既刊の6作の紹介があったり。
初めて読む人向けに、配慮はされていますが、やはり本編を先に読んでいた方がいいかと。

特に「福毛」などは、本編を読んでいる人向けのお話に思います。

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 【既読の仁木英之作品】
『僕僕先生』
『薄妃の恋-僕僕先生』
『胡蝶の失くし物-僕僕先生』
『さびしい女神―僕僕先生』
『先生の隠しごと―僕僕先生』
『鋼の魂 僕僕先生』
『Fantasy Seller』

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2013.05.16

『中の人などいない @NHK広報のツイートはなぜユルい?』 NHK_PR1号

独特の立ち位置や、ツイートの在り方の陰には、どのような経緯と思いがあったのか。
とても興味深い内容でした。

出張など、通常業務の間に、ツイッターが存在するのですね。
冷静に考えれば、それが当たり前なのですが、ツイッターがメイン業務のような気になってました。

フォロワーが多い以上、多種多様なリプライが届くであろう、というのは想像がつきます。
本でも取り上げられていますが、実際、いくつかのトラブルは、ニュースにもなっています。

ただ、津波到達時に、このようなメンションが届いていたとは、思いが至りませんでした。
このようなツイートに、なすすべもなく、それでもつぶやき続けていく。

今読んでも、胸が締め付けられる思いがするのに、当時、当事者として目にするのは、どれだけつらいことであったか。

そういったメンションも含めて、受け止め、ぶれずにあり続けるのは、並大抵の意志力ではない、と感じました。

今や公式アカウントの数は多くなりましたが、すべてが成功しているとは言い難いです。
せっかくのツイッターを活用できていない、残念なアカウントもあります。

宣伝ではなく、広報。
一方的につぶやくのではなく、コミュニケーションを大切に。

ツイートを真似することは、簡単にはできないでしょうが、公式としての姿勢は、学べることが多いはず。
公式アカウントの人に、ぜひ読んでもらいたい一冊。

ツイッターでは、ずっと男性かと思っていたのですが、この本を読んでいると、なんだか女性のような印象。
ま、中の人などいないのですから、詮索は無用でしたね。

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2013.05.15

『桐島、部活やめるってよ』 朝井リョウ

桐島に近い人、遠い人。
それぞれ距離は違えど、桐島の退部を知った、5人の物語。

第22回小説すばる新人賞受賞作。

「上」と「下」、そして「最上」。
ランク分けがシビアな、高校生の感覚が、リアルでした。

ただ、一人一人のエピソードが短い気がしました。
さらっと軽く、残るものがない。

例外は、宮部実果の話。
ひきつけられるものがあったし、最後はぐっときました。

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 【既読の朝井リョウ作品】
『チア男子!!』
『最後の恋 MEN'S つまり、自分史上最高の恋。』

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2013.05.14

『劇的クリエイティブ講座』 佐藤可士和/川上未映子/松任谷正隆/大宮エリー/藤村忠寿/FROGMAN/石川光久/堤幸彦

トークイベント「劇的3時間SHOW」の書籍化。

サラリーマンとは異なり、自らの腕一本で、世の中を渡っていく、クリエーターたち。
(藤村氏は、例外的にサラリーマンですが……。)

その発想、生き方、過去の歩みなど、どれも興味深く、刺激的な内容でした。

目当ては、藤村忠寿×嬉野雅道。
「水曜どうでしょう」の名コンビです。

気心の知れた二人だからこその、阿吽の呼吸で進む、トーク。
本書の中で、最も内容が濃密で、面白かったです。

カタカナのユニクロロゴを生み出した、佐藤可士和。
ユーミンのライブを演出する、松任谷正隆。
「ケイゾク」や「SPEC」の、堤幸彦。

お名前は知らなかったFROGMANも、キャラクターを見ればわかったり。

「ああ、あの作品の」とわかる、有名な方が多く、クリエイターに無縁な私でも、楽しめました。

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