2015.01.25

『かぜまち美術館の謎便り』 森晶麿

かぜまち美術館の館長の佐久間と、保育士のカホリ。
若くして亡くなった、カホリの兄ヒカリの絵をキーに、ふたりは過去の謎を紐解いてゆく。

寂れゆく町で繰り広げられる、美術ミステリ。

ちょっと変わった会話を繰り広げる、かえでとパパのほほえましさが、この作品の魅力のひとつだと思うのですが、どうも入り込めず。
というのも、かえでとマトくんの幼児語は不自然で、かわいらしく感じるよりも、違和感を覚えてしまったからです。

名画と、それをもとにしたヒカリの絵の解釈も、「なるほど!」というより、唐突な印象。
きっかけとなる、かえでの言動そのものに不自然さを感じているので、余計にそう思ったのかもしれません。

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2015.01.23

『満願』 米澤穂信

「夜警」「死人宿」「柘榴」「万灯」「関守」「満願」の6編。

胸がざわざわしたり、ざらざらとした思いのする話が多いです。
読後感は悪いのですが、その後味の悪さ加減が、なんともうまい。

嫌な感じなのに、引き込まれてしまう、不思議な魅力がありました。

追い詰められていく心情が、リアル。

「このミステリーがすごい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「ミステリーが読みたい!」第1位で、第27回山本周五郎賞も受賞した作品ですが、ミステリというよりサスペンスという印象。

中でも、穏やかな世界に、秘められた一閃が鮮やかに現れる、「関守」と「満願」が面白かったです。

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 【既読の米澤穂信作品】
『インシテミル』
『追想五断章』 
『折れた竜骨』
『氷菓』
『愚者のエンドロール』
『クドリャフカの順番 「十文字」事件』
『春期限定いちごタルト事件』
『夏期限定トロピカルパフェ事件』
『秋期限定栗きんとん事件』
『Story Seller』
『Story Seller 2』
『Story Seller 3』
『蝦蟇倉市事件 2』

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2015.01.21

『沈黙の町で』 奥田英朗

中学校で、ひとりの生徒が転落死する。
自殺か、事故か、それとも、誰かに強要されたのか……?

真相をめぐり揺れ動く、人々の物語。

一体何があったのか、気になって、読む手が止まらなかったです。
特に、前半は、ぐいぐいと引き込まれるものがありました。

いじめるだけの加害者とか、助けるだけの味方とか。
登場する子供たちは、善人か悪人かに、きっぱり割り切ることはできません。

遺族側、加害者側、警察、検察、学校にマスコミ。
それぞれの立場も一枚岩ではなく、おのおのの思惑があります。

だれもが単純に割り切れず、人間的なところが、とてもリアルでした。

真相は、救いがない気がしました。

始まり方からその後の展開から、『ソロモンの偽証』によく似ていると感じました。

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 【既読の奥田英朗作品】
『イン・ザ・プール』
『空中ブランコ』
『町長選挙』
『真夜中のマーチ』
『オリンピックの身代金』
『サウスバウンド』
『家日和』
『我が家の問題』
『ガール』
『マドンナ』
『噂の女』
『純平、考え直せ』
『用もないのに』
『野球の国』
『どちらとも言えません』
『泳いで帰れ』
『港町食堂』
『クリスマス・ストーリーズ』

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2015.01.19

『さくら聖・咲く』 畠中恵

元大物政治家の事務所で働く、大学生の主人公。
中学生の弟を養うため、安定した企業に就職すべく、就活を始めるが……。

佐倉聖の事件簿2。

個性的な面々に振り回されつつも、大団円な世界を楽しむ作品なのでしょうが、入り込めないまま終わってしまいました。

就職活動かデートで手が離せない状況、と予想していながら、全く緊急性のない茶々を入れるために、携帯に電話してくるとか。
就職先を勝手に決めようとするとか。

周りの人間が身勝手すぎて、引いてしまいました。

聖自身も、どうしてこんなに引く手数多なのか。
機転はきくかもしれませんが、それほど魅力のある人物には感じられなかったのも、しっくりこなかった理由のひとつです。

シリーズ第1弾を未読だからでしょうか。

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 【既読の畠中恵作品】
『しゃばけ』
『ぬしさまへ』
『ねこのばば』
『おまけのこ』
『うそうそ』
『ちんぷんかん』
『いっちばん』
『みぃつけた』
『ゆめつげ』
『やなりいなり』
『ころころろ』
『ゆんでめて』
『ひなこまち』
『つくもがみ貸します』
『こころげそう』
『こいしり』
『アイスクリン強し』
『ちょちょら』
『Fantasy Seller』
『坂木司リクエスト! 和菓子のアンソロジー』
『恋のかたち、愛のいろ』

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2015.01.17

『さよなら神様』 麻耶雄嵩

「犯人は○○だよ」
"神様"を自称する、鈴木少年のセリフから始まる、連作ミステリ。

「少年探偵団と神様」「アリバイくずし」「ダムからの遠い道」「バレンタイン昔語り」「比土との対決」「さよなら、神様」の6編。

小学生とは思えない、推理のやり取りや言動。
特に、比土の話は、小学生のすることとして、現実感がなかったです。

ブラックで、後味も悪かった。

神様というメタ要素を置き、さらにどんでん返しを起こす。

推理を楽しむミステリとして、世界にハマると面白かったのでしょうが、入り込み切れずに終わってしまいました。

『神様ゲーム』の続編。

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 【既読の麻耶雄嵩作品】
『貴族探偵』
『貴族探偵対女探偵』
『神様ゲーム』
『螢』
『隻眼の少女』
『まほろ市の殺人 秋 闇雲A子と憂鬱刑事』
『9の扉』

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