2014.09.02

『傷痕』 桜庭一樹

マイケル・ジャクソンをモデルにした、スーパースターとその周辺の物語。

彼にあこがれ、父親のたくらみによって、複雑な思いを抱く少女とか。
ただ彼を父親として愛した、謎の子どもとか。
彼の理解者であった、姉とか。

周囲の人間の思いから浮かびあがってくる、スーパースターの姿。

マイケル・ジャクソンとその騒動について、そんなに詳しくなかったので、読み物として楽しみました。
実際の事件はどうだったのか、逆に興味がわいて、読了後に調べてしまったくらいです。

ただ、舞台を日本にしてしまったのは、違和感がありました。

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 【既読の桜庭一樹作品】
『赤朽葉家の伝説』
『青年のための読書クラブ』
『鉄製天使』
『GOSICK ―ゴシック―』
『荒野』
『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』
『無花果とムーン』
『本に埋もれて暮らしたい』
『Sweet Blue Age』

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2014.08.31

『螢の城』 秋月達郎

家康と三成の両陣営が、味方に引き入れたがった男がいた。
兵力としては、見向きもされなかった男が、関ヶ原の戦いに、大きな影響を与えていく。

京極高次と、大津城の戦いを描いた時代小説。
切り口が面白かったです。

悩み、考え、そして、優しさゆえの決断を下していく、高次。
螢大名と侮られていた彼ですが、その内面に触れていくうちに、愛すべき殿だなぁ、と感じました。

軍才もない殿のために、城の者たちが一致団結していく姿も、胸を打ちます。

大坂方の淀殿と、江戸方の江。
姉妹の間に挟まれた、妻・初の側から描いているのも、新鮮に感じました。

途中、武将名と経歴の羅列になったのは、読みにくかったです。
調べた知識をただ詰め込むのではなく、読み物として仕上げてほしいと思います。

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 【既読の秋月達郎作品】
『信長の首 本能寺異聞』

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2014.08.26

『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』 高殿円

シャーロック・ホームズのパスティーシュ。
「シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱」と「シャーリー・ホームズとディオゲネスクラブ」の2編。

軽快で、面白かったです。

現代化も、登場人物の女性化も、パスティーシュとしては先例があるようですが、読んだことがなかったので、新鮮でした。

しかも、1人2人ではなく、ホームズとワトソンを始め、レストレード、モリアーティ、ホームズの兄まで、主要なキャラクターをほとんど女性化しているので、圧巻です。

急な仕事が入れば、子供を預けなければいけなかったり、独身女性同士ならではの会話があったり。
女性ばかりの世界ならではの、独特の雰囲気があちこちに出ていて、何ともおかしかったです。

優秀な電脳システムと連携していたり、現代らしさの絡め方もまた、楽しかったです。

続編も読んでみたくなる設定でした。

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 【既読の高殿円作品】
『トッカン 特別国税徴収官』
『トッカンvs勤労商工会』
『トッカン the 3rd おばけなんてないさ』
『上流階級 富久丸百貨店外商部』

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2014.08.25

『悟浄出立』 万城目学

中国の古典に現れる、脇役の方にスポットを当てた、短編集。
「悟浄出立」「趙雲西航」「虞姫寂静」「法家孤憤」「父司馬遷」の5編。

有名な人やエピソードを、脇役目線で描いていて、新鮮に感じました。

ただ、この方らしさ、というようなものがあまり感じられず。
今までとは、違った作風です。
万城目ワールドを期待していたので、残念でした。

ぐっときたり、入り込んだりはせず、淡々と読み終わってしまいました。
中国古典が好きだと、また感じ方が違うのかもしれません。

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 【既読の万城目学作品】
『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』
『プリンセス・トヨトミ』
『鹿男あをによし』
『鴨川ホルモー』
『ホルモー六景』
『偉大なる、しゅららぼん』
『とっぴんぱらりの風太郎』
『スタートライン 始まりをめぐる19の物語』
『ザ・万歩計』
『ザ・万遊記』
『ザ・万字固め』
『ぼくらの近代建築デラックス!』
『とっさの方言』

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2014.08.23

『動物園の王子』 中沢けい

高校の演劇部仲間である、50代の女性3人の日々を描く。
自民党の機関誌に掲載されていた話。

何があるというわけでもなく。
最後まで、入り込めませんでした。

孫が云々、という主人公たちの設定が、自分とは遠かったのも、大きいです。

娘の恋人に、「君は子どものつくり方を知らないのか?」などと言うあたり、娘の側の立場で読んでしまうので、正直、引いてしまいました。
孫を産むこと、子孫を残すことが、人生のすべてではないのでは。

見ず知らずの子供を、いきなり抱きしめるというのも、その子の親の立場で読んでしまい、ありえないと思ってしまいます。

自分がそういう年齢になれば、また感じ方は違ってくるのかもしれませんが。

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