2014.04.25

『吸涙鬼-Lovers of Tears-』 市川拓司

短命な美沙と、涙を吸って生きる冬馬。
特異な体質を持った2人が、ある日出会ってしまう……。

純愛ファンタジー。

屋上庭園を持つ、壮麗な高校や、美しい自然。
設定も独特の世界だし、ピュアな思いと風景が美しくもあるのですが、どこか淡々として、入り込むことはなかったです。

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 【既読の市川拓司作品】
『いま、会いにゆきます』
『弘海 息子が海に還る朝』
『ぼくの手はきみのために』
『おぼえていてね アーカイブ星ものがたり』
『I LOVE YOU』

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2014.04.24

『図地反転』 曽根圭介

手がかりが少なく、難航していた幼女殺害事件。
有力な容疑者が現れたものの、最後の決め手が欠けていた……。

図と地、見方を変えると、別の図が見えてくる。
タイトル通り、見方の違いを描いたストーリーで、面白かったです。

人間の記憶の、不確かさ。
先入観が作り上げる、疑いの心。

人間の証言の不確かさを、鮮やかに描いています。
その不確かさの証明の仕方が、またうまかった。

新米刑事としての情熱と、犯罪被害者遺族としての思い。
悩みつつも動き続ける主人公の設定も、よかったです。

たたみかけるような後半には、期待が高まっていただけに、ラストが中途半端。
この展開ではっきり落とさないのは、不完全燃焼な感じで、もやもやが残りました。

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 【既読の曽根圭介作品】
『最新ベスト・ミステリー 現場に臨め』

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2014.04.23

『安土城の幽霊 「信長の棺」異聞録』 加藤廣

「藤吉郎放浪記」「安土城の幽霊」「つくもなす物語」の3編。

有名な話かもしれませんが、茶器の変遷を描いた「つくもなす物語」は、面白かったです。

信長、秀吉、家康……。
多くのキーマンの手を経て、現存する事実が興味深かったです。

天下壺の効果や、付喪神のもたらす不運の真偽は別として、歴史ロマンがありました。

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 【既読の加藤廣作品】
『信長の棺』

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2014.04.21

『ロスト・ケア』 葉真中顕

43人もの人間を殺害した、〈彼〉の目的とは。
介護問題とミステリを絡めた作品。

日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。

読み応えがあって、面白かったです。

親への愛情があっても、過酷な介護の負担というものは、簡単に乗り越えられるものではありません。
乳幼児相手でも、腱鞘炎になったりするのですから、大人の介護の大変さは、それ以上でしょう。

葛藤や現実がよく描かれていて、介護問題について、考えさせられました。

犯罪(クライム)(シン)の違いとか。
キリスト教と絡めた向き合い方も、うまかったです。

ストーリーの中に、宗教が自然と溶け込んでいる感じ。

ミステリとしてのひねりもあり、最後まで楽しめました。

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2014.04.20

『からくりがたり』 西澤保彦

自殺した兄は、人には見せられない日記を残していた。
しかも、現実の事件と日記には、つながりがあるように見えて……。

読んでいて不快さばかりがつのる作品でした。

品がなく、ただただ醜悪。

最後に何かオチがあるのかと期待しましたが、ミステリとしても、ホラーとしても、中途半端でした。

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 【既読の西澤保彦作品】
『腕貫探偵』
『腕貫探偵、残業中』
『モラトリアム・シアター produced by 腕貫探偵』
『神のロジック 人間のマジック』

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