2014.09.16

『マスカレード・イブ』 東野圭吾

フロントクラークの山岸尚美と、刑事の新田浩介。
『マスカレード・ホテル』で出会う前の2人を描いた、シリーズ第2弾。

「それぞれの仮面」「ルーキー登場」「仮面と覆面」「マスカレード・イブ」の4編。
イブというタイトルだけあって、プロローグ的な内容でした。

表題作が、一番面白かったです。
ページも一番割かれていて、読み応えがありますし、尚美と新田が両方出てくるので、ホテルものとしても刑事ものとしても、楽しめました。

新田のお話も、面白いのですが、やはり尚美視点の方が、より興味深かったです。

刑事小説は正直、他にもいろいろあります。
が、不特定多数のお客さんを相手に、サービスを提供するという、ホテル業務は、あまり他にない切り口なので。

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 【既読の東野圭吾作品】
『卒業―雪月花殺人ゲーム』
『眠りの森』
『どちらかが彼女を殺した』
『悪意』
『私が彼を殺した』
『嘘をもうひとつだけ』
『赤い指』
『新参者』
『麒麟の翼』
『祈りの幕が下りる時』
『探偵ガリレオ』
『予知夢』
『容疑者Xの献身』
『ガリレオの苦悩』
『聖女の救済』
『真夏の方程式』
『虚像の道化師 ガリレオ7』
『禁断の魔術 ガリレオ8』
『白夜行』
『幻夜』
『流星の絆』
『ある閉ざされた雪の山荘で』
『片想い』
『魔球』
『探偵倶楽部』
『レイクサイド』
『トキオ』
『ゲームの名は誘拐』
『手紙』
『殺人の門』
『ダイイング・アイ』
『黒笑小説』
『名探偵の呪縛』
『使命と魂のリミット』
『カッコウの卵は誰のもの』
『マスカレード・ホテル』
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』
『プラチナデータ』
『夢幻花』
『パラドックス13』
『白銀ジャック』
『疾風ロンド』
『虚ろな十字架』
『ちゃれんじ?』
『さいえんす?』
『夢はトリノをかけめぐる』
『たぶん最後の御挨拶』

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2014.09.15

『利休の茶杓 とびきり屋見立て帖』 山本兼一

シリーズ第4弾。
「よろこび百万両」「みやこ鳥」「鈴虫」「自在の龍」「ものいわずひとがくる」「利休の茶杓」の6編。

からふね屋が出会う、魅力的なお道具の数々。
目利きの知識はないのですが、真之介やゆずたちの反応で、なんとなく共に味わった気持ちになれるのが、楽しいです。

最後は、ほっこりとする落としどころになるのも、読んでいて心地がいいです。

銅屋に信頼されることで、一級品を扱えるように。
それがまた、目利きの旦那衆を招くという、好循環へ。

商いのレベルが上がっていくからふね屋が、なんとも頼もしいです。

からふね屋は順調ですが、政では、京都から長州が排除され、対立があらわに。
幕末の足音が、ひしひしと伝わってきます。

筆者の逝去により、シリーズもここで終わりになってしまうのでしょう。

これからの幕末の混乱を、ゆずたちはどう見ていくのか。

この先も読んでみたかったのですが、残念です。

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 【既読の山本兼一作品】
『利休にたずねよ』
『火天の城』
『いっしん虎鉄』
『銀の島』
『弾正の鷹』
『千両花嫁-とびきり屋見立て帖』
『ええもんひとつ-とびきり屋見立て帖』
『赤絵そうめん-とびきり屋見立て帖』
『信長死すべし』
『ジパング島発見記』

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2014.09.13

『日本人なら知っておきたい日本文学 ヤマトタケルから兼好まで、人物で読む古典』 蛇蔵&海野凪子

清少納言、紫式部、藤原道長、安倍晴明、源頼光、菅原孝標女、鴨長明、兼好、番外編のヤマトタケル。
古典や日本史の勉強で登場する、有名人のおもしろエピソードを紹介する、コミックエッセイ。

とても面白かったです。

ホラー好き、猫好きな、菅原孝標女の姉は、「不思議ちゃん」。
頼光四天王は、「平安のモンスター・ハンター」「千年前のカラーレンジャー」。

などなど、ツッコミ方、アレンジした現代語訳(=解釈)の仕方が、秀逸。
わりと有名な話も多いのですが、すでに知っているネタでも、思わず吹き出してしまいました。

切り口の面白さといいますか、着眼点と構成の上手さなのでしょうね。

もちろん、知らなかったエピソードもあり、純粋に面白かったです。

今にも通じるエピソードあり。
意表をつくエピソードあり。

楽しいネタがギュッと詰まっている。
単純に面白くて、紹介されている人物や作品に、興味がわいてくる一冊。

受験で丸暗記するデータとしてではなく、人間味のある存在として、身近に楽しく感じられる、入門書にぴったりでした。

『更級日記』など、一通り読んでみたくなりました。

他にも有名人は、まだまだいるはず。
ぜひまた、第2弾を出してほしいです。

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 【既読の海野凪子&蛇蔵作品】
『日本人の知らない日本語』
『日本人の知らない日本語2』
『日本人の知らない日本語3 祝! 卒業編』
『日本人の知らない日本語4 海外編』

 【既読の海野凪子作品】
『「国際人」はじめました。 コミュニケーションに国境なし! 共感&納得コミックエッセイ』

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2014.09.12

『超高速! 参勤交代』 土橋章宏

小藩ながら、民に慕われ、つつましく過ごす、陸奥の湯長谷藩。
ところが、老中の陰謀で、急遽、江戸に向かわねばならなくなり……。

映画化された作品。
面白かったです。

通常では、ありえない日程。
もともと財政難な上に、通常の参勤交代が終わったばかりで、お金もない。

ないない尽くしの状態から、知恵を尽くして、無理難題に立ち向かおうとする。
一同の奮闘ぶりが、楽しかったです。

困った人を見ると、自分のことは置いておいて、とりあえず助けてしまう。
そんな、藩主・政醇の人柄が、魅力的でした。

彼を慕う家臣たちも、まっすぐで清々しく、応援してしまいます。

テンポのよい、エンターテイメント作品。
最後は、痛快でした。

吉宗の最後の言葉には、重みがありました。

参勤交代といえば思い浮かぶ、「下に、下に」の掛け声は、徳川御三家のみとは知らなかったです。

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2014.09.11

『バベル』 福田和代

感染力が強く、発症率が高く、後遺症も強い。
各種ウイルスの最悪部分を集めたような、新型ウイルスが、日本で爆発的に流行していく。

デングウイルスやエボラ出血熱もちらりと登場するなど、タイムリーな内容でした。

やはり蚊への対策も行われますが、改めて、完全に予防・駆除することは、現実的には無理なのでは、と思ってしまいます。

作中の政府は、住み分け政策を実行していきますが、実際、どうするのが一番なのか。
ワクチンも存在しない状況での感染拡大は、本当に恐ろしいことです。

新型ウイルスによる死そのものだけでなく、後遺症である"言葉を失うこと"に向き合っているのも、興味深かったです。

危機的な状況ながらも、パンサーや悠希たちには、前向きな何かがあって、希望の光のある作品でした。

ただ、普通の小説家だったはずの、悠希の変わり具合が劇的すぎて、そこだけは違和感がありました。

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 【既読の福田和代作品】
『TOKYO BLACKOUT』
『碧空のカノン 航空自衛隊航空中央音楽隊ノート』
『スクウェア Ⅰ』
『スクウェア Ⅱ』
『迎撃せよ』
『オーディンの鴉』
『プロメテウス・トラップ』
『特殊警備隊 ブラックホーク』
『ZONE 豊洲署刑事 岩倉梓』
『痛み』

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