2014.07.26

『アフリカッ!』 松村美香

システムエンジニアだった主人公が、強い希望で、アフリカ開発部へ。
初めてのアフリカで経験したことは……。

小説の形態ではありますが、アフリカの国々の紹介が主眼なのかな、と思う内容でした。
エチオピア、ケニア、ザンビアの、特徴や違いは、あまり知らなかったことなので、勉強にはなりました。

ただ、物語としては、あまりひかれませんでした。。

リスクや、国の特徴など、基本的なことも学んでおらず、ただ祖父の冒険譚にあこがれているだけ、という印象。
それでいて、何か自分はほかの人間とは違う、と根拠のない自信と勘違いをしている。

主人公の考えが、甘すぎて、企業人の話には思えませんでした。

Amazon で詳細を見る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014.07.24

『青雲の梯 老中と狂歌師』 高任和夫

老中・田沼意次と狂歌師・大田南畝。
二人の武士を軸に描く、時代小説。

米に頼らない、安定した財政を目指したり。
蝦夷地を調査したり。
貿易によって、国を富ませようとしたり。

賄賂政治家として、とかく悪いイメージだった田沼意次像が、変わっていきました。
足軽の子と蔑まれたり、意外と苦労人ですし、当時の武士らしからぬ、発想の柔軟さが新鮮。

ご政道批判を取り締まることもなく、おおらかだったからこそ、狂歌などの文化が花開いていく。

松平定信による、粛清と萎縮との対比が、鮮やかで、時代を感じられる作品でした。

大田南畝を中心とした、狂歌の発展も興味深くはありましたが、2本柱は、やや散漫にも感じました。

Amazon で詳細を見る

 【既読の高任和夫作品】
『光琳ひと紋様』

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014.07.20

『ハニーズと八つの秘めごと』 井上荒野

「ブーツ」「泣かなくなった物語」「粉」「虫歯の薬みたいなもの」「犬と椎茸」「他人の島」「きっとね。」「ダッチオーブン」「ハニーズ」の9編。

不倫だったり、浮気するゲイだったり。
ポップで明るい装丁が素敵で、手にしましたが、内容は、ドロドロとどす黒い恋愛ばかり。

登場人物に共感できないためか、終り方も唐突に感じる話が多かったです。

読後感も悪かったです。

Amazon で詳細を見る

 【既読の井上荒野作品】
『コイノカオリ』

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014.07.18

『リボン』 小川糸

オカメインコと、つかの間触れ合う人間たちとの物語。

冒頭の、リボンとすみれちゃんとひばりちゃんのエピソードに、まず引き込まれました。

雛がかえるかどうか、一緒にわくわくしてしまいますし、その暮らしぶりがとても楽しい。
「すみれちゃん」「ひばりさん」と呼び合う関係や、すみれちゃんの優雅な立ち居振る舞い。

血のつながらない祖母と、孫娘と、そして鳥。
独特の関係性と、あたたかな交流に、ほっこりしました。

もう一つよかったのが、美歩子と風子のお話。
こちらも「美歩子せんせ」「ふぅちゃん」と呼び合うところが、心地よく、独特の距離感と優雅さが、すみれちゃんのお話と似ています。

おっとりしているだけのようで、絵と向き合う時は激しさがあったり。
普段は優しく、礼節を重んじる彼女たちと、津野田の、凛としたかかわり方が、素敵でした。

どのエピソードも、インコが登場するのですが、リボンなのか別の鳥なのか、今一つはっきりしないまま、進んでいきます。
あっさりした話もあり、本全体としては、ややまとまりのない感じがしました。

オカメインコ側から描いた、『つばさのおくりもの』という作品もあるそう。
そちらも読むと、つながりがわかってくるのでしょうか。

Amazon で詳細を見る

 【既読の小川糸作品】
『食堂かたつむり』
『喋々喃々』
『あつあつを召し上がれ』
『つるかめ助産院』
『ペンギンと暮らす』
『スタートライン 始まりをめぐる19の物語』

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014.07.17

『散歩』 小林聡美

東京を散歩しながらの、対談集。
お相手は、森下圭子、石田ゆり子、井上陽水、加瀬亮、飯島奈美、もたいまさこ、柳谷小三治の7人。

井上陽水さんの回が、とてもよかったです。

プライベートでも仲がいいという、お二人ならではの、やりとり。
一見気難しそうですが、実は気さくな方のよう。
不思議な魅力があって、とても楽しかったです。

それから、「やっぱり猫が好き」でおなじみ、もたいまさこさんの回も楽しかった。
息ぴったりだし、このお二人の会話は味があって、本当に面白いです。

「対談中の写真はないのかな~」と思いながら読んでいたら、巻末にまとめてありました。

対談でも、お互いの服装のことに触れたり、写真を見たくなる会話がちらほら。
それぞれの回に写真もつけてある方が、いいような気がします。

Amazon で詳細を見る

 【既読の小林聡美作品】
『マダムだもの』
『ほげらばり』
『凛々乙女』
『東京100発ガール』
『マダム小林の優雅な生活』『キウィおこぼれ留学記』
『ワタシは最高にツイている』
『案じるより団子汁』
『アロハ魂』

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«『珈琲店タレーランの事件簿3 心を乱すブレンドは』 岡崎琢磨