2014.04.17

『左京区恋月橋渡ル』 瀧羽麻子

『左京区七夕通東入ル』の姉妹編。

恋だけではなく、仲間と過ごす大学生活も描いていた、前作。
本作は、より直球の、恋愛小説でした。

電撃的な一目ぼれから、悩み、苦しみ、一喜一憂する山根。
初々しいその恋は、甘酸っぱくて、ちょっと切なかったです。

龍彦は引っ越していましたが、それ以外の寮のメンバーは、変わらず個性的で、そして楽しそう。
安藤の食へのこだわりと、空気を読めない感も変わらずで、面白かったです。

今回も、京都という舞台が、物語によく絡み合っていました。
街並みや、葵祭のようなイベントが、自然と生活に溶け込んでいて、素敵でした。

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 【既読の瀧羽麻子作品】
『左京区七夕通東入ル』
『白雪堂』

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2014.04.16

『傷』 堂場瞬一

プロ野球のスター選手が、執刀医を訴えた。
靭帯が切れたのは、本当に故意なのか?

お得意のスポーツものですが、調べる側から描くことで、切り口が変わっていて、面白かったです。

技術的にも人間的にも、いい評判しかない医者が、本当にわざと患者を傷つけたのか?
矛盾した情報は、どちらが真実なのか。

訴えている側の人間も、不可解な動きをしていて、最後まで興味をひきました。

警察官と記者のコンビも、珍しかったです。

若手と中堅のコンビなので、フレッシュな頑張り方がよかったです。
特に、刑事課にきたばかりの、青井刑事の成長が、さわやかでした。

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 【既読の堂場瞬一作品】
『チーム』
『ヒート』
『BOSS』
『大延長』
『天空の祝宴』
『独走』
『ミス・ジャッジ』
『神の領域』
『蒼の悔恨』
『10-ten- 俺たちのキックオフ』
『虚報』
『暗転』
『誇り』
『異境』

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2014.04.14

『増山超能力師事務所』 誉田哲也

超能力が世間に認められ、測定も可能になった時代の、とある超能力師事務所の物語。

「初仕事はゴムの味」「忘れがたきは少女の瞳」「愛すべきは男の見栄」「侮れないのは女の勘」「心霊現象は飯のタネ」「面倒くさいのは同性の嫉妬」「相棒は謎の男」の7編。

面白かったです。

業界団体があったり、認定試験があったり、本当に超能力は人が持つ技能の一つ、といった感じ。

超能力には集中力もいるし、使い続ければ、疲れもします。
魔法のように、なんでも楽にできるものではなく、苦労もあって、そこに人間味が出てきたり。

たとえ超能力で人の心を読めたとしても、適切な対処ができなければ、問題は解決しません。
唯一超能力を持たない事務所スタッフ、朋江の言う通り、「超能力師ったって結局、解決しなきゃならないのは人間同士が起こすトラブル」。

情報を得る方法が"超能力"というだけで、解決するのは、人としての能力なのです。

章ごとに視点人物が変わりますが、それぞれのキャラがしっかりしています。
テンポのいいやり取りにもユーモアがあって、楽しかったです。

どれもいい話で、読後感もさわやか。

彼らの新たな事件簿を、もっと読んでみたくなりました。

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 【既読の誉田哲也作品】
『ストロベリーナイト』
『ソウルケイジ』
『シンメトリー』
『インビジブルレイン』
『感染遊戯』
『ブルーマーダー』
『世界でいちばん長い写真』
『ジウⅠ 警視庁特殊班捜査係』
『ジウⅡ 警視庁特殊急襲部隊』
『ジウⅢ 新世界秩序』
『国境事変』
『歌舞伎町セブン』
『ヒトリシズカ』
『ハング』
『ドルチェ』
『ドンナ ビアンカ』
『幸せの条件』
『あなたの本』
『武士道エイティーン』
『主よ、永遠の休息を』
『Qrosの女』
『大崎梢リクエスト! 本屋さんのアンソロジー』
『痛み』
『最新ベスト・ミステリー 現場に臨め』

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2014.04.13

『白き失踪者』 末浦広海

入院中に知り合った看護師に、惹かれる主人公。
しかし彼女は、突然、姿を消してしまい……。

ハードボイルド・ミステリ、という紹介文ですが、読み終わった印象では、そういう作品ではないような。
主人公が、警察官としてではなく、芳理を愛する一人の男性として行動してしまっているので、警察小説でもなく、彼の純愛小説のように感じました。

暴力団と、中国人マフィア。
それなりに読ませてくれるのですが、展開がそのままというか、先が読めてしまうところがありました。

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2014.04.12

『光琳ひと紋様』 高任和夫

尾形光琳の生涯を描いた、時代小説。

子ができたら、後始末は他人任せ。
やりくりもきちんとせず、金策も人頼み。

無責任な上に、なにもかも人任せなところが、あまり好きになれませんでした。

ただ、絵と真摯に向き合っている時だけは、人が変わったよう。
個性を模索し、もがいていくところは、読み応えがあります。

独自の手法で作られる作品の描写は、心惹かれるもので、知らなかった作品は、あとで画像を探してみたり。

ジャンルも性格も違えど、芸術の道を究めようとした、兄弟。
独立しての活動だけでなく、兄弟で一つの作品を作り上げているのが、珍しく、面白いなと思いました。

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