2012.05.16

『パラダイス・ロスト』 柳広司

『ジョーカー・ゲーム』から始まる、D機関シリーズ、第3弾。

今回は、わりと敵味方がはっきりしていて、分かりやすい話が多かったように思います。

誰が敵で、誰が味方なのか。
何が真実で、何が嘘なのか。

それらが分からず、綱渡りの中で活動しなければならない、スリル。
選び抜かれた、D機関のスパイだからこそ、乗り切れる危機。
真の構図が明らかになり、あっと驚かされる痛快さのある話を、また読みたいです。

今回、面白かったのは「追跡」。
英国記者が、魔王こと結城中佐の正体に迫っていきます。

何が真実で、何がダミーなのか、くるりとひっくり返ってしまう。
このシリーズの魅力を楽しめる、ストーリーでした。

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 【既読の柳広司作品】
『ジョーカー・ゲーム』
『ダブル・ジョーカー』
『トーキョー・プリズン』
『吾輩はシャーロック・ホームズである』
『新世界』
『キング&クイーン』
『最初の哲学者』

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2012.05.15

『ルームメイト』 今邑彩

失踪したルームメイトが、死体で発見された。
彼女について調べていくうちに、いくつもの別の顔が見えてきて……。

謎めいた状況から、一つずつ、明らかになっていく、麗子の三重生活。
過去の事件も絡め、興味を引きながら展開していきます。

フェアに描かれているので、途中で真相に気がつけましたが、驚きました。
そうきたか~、という感じ。

読後感は決していい作品ではないのですが、ミステリとして楽しめました。

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2012.05.14

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』 東野圭吾

あらゆる悩み相談に乗ってくれる、ナミヤ雑貨店。
その空き家に、ひょんなことから忍び込んだ3人組は、とある手紙を見つけて……という、連作短編集。

じーんとして、心あたたまるファンタジーでした。

時空を越える手紙という、SFな設定ですが、レトロなお店の雰囲気になじんで、不思議と納得してしまう。
ストーリーテリングの上手さが、光ります。

ちょっぴり軽率な3人組から、急にじーんとくる展開に。
どの話も、心あたたまるラストで、ほっこりしました。

ナミヤ雑貨店に持ち込まれる相談は、難しいものが多いです。
どうやって答えるのだろう、と考えてしまうような、そんな相談にも、真摯に向き合っていく。

本当の回答者であった、波矢雄治の人柄とは。
妙に、丸光園が関係している理由とは。

それぞれの物語が、上手く絡み合い、一つの構図を描き出す構成も、上手いです。
全てが繋がり、新たな感動がありました。

心温まり、清々しい読後感でした。

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 【既読の東野圭吾作品】
『卒業―雪月花殺人ゲーム』
『眠りの森』
『どちらかが彼女を殺した』
『悪意』
『私が彼を殺した』
『嘘をもうひとつだけ』
『赤い指』
『新参者』
『麒麟の翼』
『探偵ガリレオ』
『予知夢』
『容疑者Xの献身』
『ガリレオの苦悩』
『聖女の救済』
『真夏の方程式』
『白夜行』
『幻夜』
『ある閉ざされた雪の山荘で』
『片想い』
『魔球』
『探偵倶楽部』
『レイクサイド』
『トキオ』
『ゲームの名は誘拐』
『手紙』
『殺人の門』
『ダイイング・アイ』
『黒笑小説』
『名探偵の呪縛』
『使命と魂のリミット』
『カッコウの卵は誰のもの』
『マスカレード・ホテル』
『ちゃれんじ?』
『さいえんす?』
『夢はトリノをかけめぐる』
『たぶん最後の御挨拶』

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2012.05.13

『用もないのに』 奥田英朗

どれも編集者に乗せられて、出かけることになったエッセイ。
野球篇と、遠足篇です。

この方の野球ネタは好きなんですけれど、今回はちょっと文句が多いかな、と感じました。
楽天イーグルス生まれた頃の雰囲気は、伝わりました。

今回は、遠足篇がよかったです。

運が悪いのか、お天気に恵まれなかったり、想像以上に過酷だったり。
いつも大変な状態だからこそ、ご本人や同行者の意外な本性が見え隠れしたりして、面白かったです。

毎年ニュースで見るわりには、フジロックフェスティバルについて、具体的なことを分かっていませんでした。
文中でも言われていましたが、まさか苗場でやっていたとは!
まさに御殿場あたりだと思っていた一人です。

一番笑ったのが、富士急ハイランドの、フジヤマ→ええじゃないか体験記。
ご一行にとっては、本当に怖くて、大変な体験だったと思いますが、読んでいる方は爆笑でした。

ぜひとも、高飛車にも挑戦していただきたいです。
もう年齢制限に引っかかるかしら……?

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 【既読の奥田英朗作品】
『イン・ザ・プール』
『空中ブランコ』
『町長選挙』
『真夜中のマーチ』
『オリンピックの身代金』
『サウスバウンド』
『家日和』
『ガール』
『マドンナ』
『野球の国』
『港町食堂』
『クリスマス・ストーリーズ』

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2012.05.12

『片想い』 東野圭吾

10年ぶりに会ったマネージャーの美月の、思いがけない告白から始まる物語。

性同一性障害や、半陰陽といった問題は、知識としては知っています。
ただ、ここまで深く掘り下げて、考えたことはありませんでした。

姿を変えてしまいたい人もいれば、そのままでありたい人もいる。

染色体が、XXであるか、XYであるか、だけで、性別が決められるのか?
手術だけが、解決の方法なのか?

男と女は、コインの表裏のような存在なのか?

小説の一要素というより、この問題がメインという、深い描き方でした。
ずっしりと重いですが、ジェンダーの問題について、じっくり考えさせられます。

アメフトのポジションと絡めながら、展開させるのは上手いけれど、ミステリとしては、やっぱり引っかかるところがありました。
殺人を犯した人間を、かばうところに、そもそも無理があると思います。

ミステリとしてはともかく、ジェンダーの問題提起にはなっていて、考えさせられました。

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 【既読の東野圭吾作品】
『卒業―雪月花殺人ゲーム』
『眠りの森』
『どちらかが彼女を殺した』
『悪意』
『私が彼を殺した』
『嘘をもうひとつだけ』
『赤い指』
『新参者』
『麒麟の翼』
『探偵ガリレオ』
『予知夢』
『容疑者Xの献身』
『ガリレオの苦悩』
『聖女の救済』
『真夏の方程式』
『白夜行』
『幻夜』
『ある閉ざされた雪の山荘で』
『魔球』
『探偵倶楽部』
『レイクサイド』
『トキオ』
『ゲームの名は誘拐』
『手紙』
『殺人の門』
『ダイイング・アイ』
『黒笑小説』
『名探偵の呪縛』
『使命と魂のリミット』
『カッコウの卵は誰のもの』
『マスカレード・ホテル』
『ちゃれんじ?』
『さいえんす?』
『夢はトリノをかけめぐる』
『たぶん最後の御挨拶』

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