2012.01.31

『夕暴雨-東京湾臨海署安積班』 今野敏

安積班シリーズ。

ネットでの犯行予告に、多数の来場者がいたイベント会場での、爆破事件。
犯人を特定しにくい事件に、安積班が挑みます。

通常であれば、被害者のように、核となる人物から、捜査が広がっていきます。
しかし、今回のようなケースは、誰を核とすべきか、はっきりとしません。

そんなときでも、安積班のメンバーは、些細な違和感を大切にし、真相にたどり着いていく。
安積班、それぞれの特性を活かしていて、楽しめました。

臨海署が新庁舎になり、安積をライバル視する、相楽がやってくる話でもあります。

相楽を筆頭に、安積をライバル視する人々と、応援する人々。
組織内部の、縄張り意識。

捜査に専念したいところに、そうもさせない人間関係も。

部下との接し方に悩みつつも、表に出さないところが、安積警部補らしかったです。

ネットが一般化してきている今、ネットユーザーの描き方が、ちょっと古い気はしました。

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 【既読の今野敏作品】
『隠蔽捜査』
『果断 隠蔽捜査2』
『疑心 隠蔽捜査3』
『初陣 隠蔽捜査3.5』
『転迷 隠蔽捜査4』
『残照』
『同期』
『TOKAGE 特殊遊撃捜査隊』
『天網 TOKAGE2 特殊遊撃捜査隊』
二重標的(ダブルターゲット) 東京ベイエリア分署』
『虚構の殺人者-東京ベイエリア分署』
『硝子の殺人者―東京ベイエリア分署』
『烈日―東京湾臨海署安積班』
『蓬莱』
『イコン』
『心霊特捜』
『潜入捜査』
『白夜街道』
『化合』
『エチュード』
『凍土の密約』
『パラレル』
『義珍の拳』
『ST警視庁科学特捜班 青の調査ファイル』
『ST警視庁科学特捜班 赤の調査ファイル』
『ヘッドライン』
『誇り』

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2012.01.30

『ピエタ』 大島真寿美

2012年本屋大賞ノミネート作品。

誤解されやすいけれど、音楽を愛し、楽しんだヴィヴァルディ先生。
回想や伝聞によって、その人柄が生き生きと感じられます。

実在した「四季」の作曲家ヴィヴァルディです。

孤児たちが暮らす、ピエタ慈善院。
その中で感じる、音楽の喜び。

ヴェネツィアの美しさと共に、そのゆがみも描かれています。
そして物語の根底には、常に美しい音楽が流れているように感じました。

ヴィヴァルディ先生だけでなく、主人公エミーリアが、芯のある女性として、しっかり描かれています。

残された女たちの、不思議な連帯と友情。

最後は、じーんときました。

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2012.01.27

『オーディンの鴉』 福田和代

複数のデジタル情報を紐づけして、特定の個人の姿をあぶりだしていく。
しかもその個人情報が、ネット上に公開されてしまったら……。

炎上など、現実にも、住所氏名などが晒されることがあります。
けれども、今回はそれ以上の情報量。

クレジットカードやIC乗車カードの、利用履歴。
メールの内容に、防犯カメラの映像。
インターネットの閲覧履歴。

一つ一つの情報も、マーケティングなどには有効でしょうが、これらを組み合わせたときの破壊力は、ぞっとするほど恐ろしいです。

姿の見えない相手に、個人情報をつかまれ、追われていく恐怖。
スリルがあり、事態の展開もはやく、一気読みしてしまいました。

Twitterだの携帯百景だの、なんとも身近なサービスが登場。
web関係の描写は、臨場感たっぷりにイメージできました。

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 【既読の福田和代作品】
『TOKYO BLACKOUT』
『迎撃せよ』

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2012.01.26

『1950年のバックトス』 北村薫

23編も収められているだけあって、驚くほど短い話もありました。

少し奇妙で、怖い話が、多かったようにも思えます。

北村薫自身をネタにした話などは、面白かったです。

ぐっとくる話あり。
正直、ぴんとこない話あり。

いろいろとバラエティに富んだ、短編集でした。

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 【既読の北村薫作品】
『野球の国のアリス』
『街の灯』
『玻璃の天』
『鷺と雪』
『ニッポン硬貨の謎-エラリー・クイーン最後の事件-』
『ひとがた流し』
『紙魚家崩壊 九つの謎』
『秘密。 私と私のあいだの十二話』
『9の扉』
『吹雪の山荘―赤い死の影の下に』

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2012.01.25

『ヒア・カムズ・ザ・サン』 有川浩

演劇集団キャラメルボックスの公演パンフレットにあった、たった7行のあらすじ。
そこから膨らませてうまれた小説と、実際の舞台から着想を得た話の、2編を収録。

決して悪いわけではないのですが、どこか物足りなかったです。
もっと強く惹きこまれる作品が、期待できる作家さんだと思っているので。

二つの話が、続編ではなくて、パラレルワールドであったことも、入り込みにくかった一因。

小説は、有川浩のオリジナル。
Pallallelの方は、別の方の手による舞台に、着想を得たもの。

大筋は同じ世界ですが、ちょこちょこくい違いがあって、すっと繋がりはしませんでした。

らしさのある登場人物だし、じーんとくる場面がなかったわけではないのですが、期待値が高すぎました。

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 【既読の有川浩作品】
『塩の街』
『空の中』
『海の底』
『クジラの彼』
『ラブコメ今昔』
『植物図鑑』
『阪急電車』
『フリーター、家を買う』
『三匹のおっさん』
『県庁おもてなし課』
『シアター!』
『シアター! 2』
『図書館戦争』
『図書館内乱』
『図書館危機』
『図書館革命』
『別冊図書館戦争Ⅰ』
『別冊図書館戦争Ⅱ』
『レインツリーの国』
『キケン』
『Story Seller』
『ストーリー・セラー』

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